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3回目の緊急事態宣言 4~6月期は年率10%減も2期連続のマイナス成長に=神田慶司

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言が4月25日、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令された。2020年4〜6月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比で2四半期連続のマイナス成長になる可能性がにわかに高まっている。

 緊急事態宣言の実施期間は5月11日までとされたが、本稿執筆時点の4月下旬の新型コロナの感染状況は悪化しており、まん延防止等重点措置の適用地域が拡大していることを考えると、宣言が延長されたり対象地域が拡大されたりする可能性は高いと思われる。

 今回の緊急事態宣言は、日本経済にどのような影響を及ぼすのか。要請内容や過去2回の宣言時の個人消費の動きなどを基に試算すると、1カ月当たりの実質GDPの減少額は約0・6兆円とみられる。20年春の1回目(約3・1兆円)や年明けの2回目(約1・1兆円)に比べ、経済への悪影響は小さい見込みだ。ただし対象地域が全国に広がれば、1・6兆円程度に膨らむ可能性がある。

 1回目の宣言は全国の幅広い業種に休業を要請するなど厳しい内容となった。新型コロナウイルスの知見に乏しい中で、景気の先行き不透明感が急速に強まり、耐久財を中心に買い控えが広がったほか、小売店の休業や工場の生産停止による供給制約も発生した。結果としてサービスだけでなく、財の消費も激減した。

2回目より厳しく

 今回は1回目に近い要請内容で、2回目よりも厳しい。外食や旅行などのサービスや、外出自粛の影響を受けやすい衣料品や化粧品などへの支出は大幅に落ち込むとみられる。だが、対象地域が限定されたことに加え、国内外の供給体制は安定していることから、それ以外の消費については3回目の宣言発令後も底堅く推移するだろう。

 今回の経済への悪影響を比較的小さく見積もったもう一つの要因は、宣言発令時点の消費水準の違いにある。サービス消費は感染拡大防止策の影響を受けて低水準にあり、まん延防止等重点措置によって一段と低下した。このため宣言発令による追加的な悪影響は小さくなっている。

 今回は過去2回の宣言時とは異なり、感染力の強い変異株が猛威を振るう。これは感染拡大防止と両立できる人出の水準が低下したことを意味する。政府は宣言解除後のリバウンドを抑えるため、経済活動を慎重に再開させるだろう。宣言の延長や広域化に加え、こうした影響を考慮すれば、4〜6月期の実質GDPが前期比年率で10%を超えるマイナス成長になることも否定できない。

 日本経済への大打撃は避けられない情勢だが、重要なのはこうした状況を繰り返さないことだ。医療提供体制を再構築するとともに水際対策を徹底し、諸外国に大きく遅れているワクチンの接種ペースを加速させる必要がある。4回目の宣言を回避するためにも、政府は従来の延長線上にないスピードと発想でコロナ対策に取り組むべきだ。

(神田慶司・大和総研シニアエコノミスト)

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