コロナ禍にもかかわらず韓国で高級ブランドが売れまくる理由
韓国政府は10月12日から防疫水準を下げ、高危険施設として営業を停止していたカラオケ店やスポーツセンターなどに対して、マスク着用と出入者名簿を残すことを条件に営業再開を認めた。
長い間続いた外出自粛の反動からか、デパートの売り上げが急増、特にシャネルやエルメスといった高級ブランドほど売れる傾向が強くなっている。
現地の報道では、10月16~18日のロッテ百貨店の売り上げは前年同期比11%、新世界デパートは17・7%、現代デパートは13・8%増加。
また、ユーロモニターの調査によれば、コロナの影響で2020年の世界ラグジュアリー市場規模が前年比18%減少するなかで、韓国だけは1%減にとどまる見込みだという。
韓国産業通商資源部の調べでは、20年1~6月の高級ブランド店の売り上げは前年同期比9・2%増を記録した。
証券業界では、韓国で高級ブランド品が売れる背景として、海外旅行で購入していたブランド品を国内で購入するようになったなどと分析。
一方でこのような消費パターンは、米国のようにコロナ以降に株投資などで富裕層の資産はますます増えて貧困層は失業でますます貧困になる「K字型回復」の前触れではないかと懸念する声もある。
(趙章恩・ソウル在住ジャーナリスト)
(本誌初出 韓国 リベンジ消費で高級ブランド好調=趙章恩 20201110)