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大型株の強さを見よ!日立、東京エレクトロン 2021年は50%上昇、割安株の三菱商事、三井物産、三菱UFJだって3割上昇した=編集部

    日立、東京エレク50%上昇 強さが際立つ大型株=種市房子

     <2022注目テーマ&企業 投資のタネ>

     2021年10月以降、大型株の粘り強さが目立つ。(2022投資のタネ 特集はこちら)

     大型株の指標として、東証株価指数(TOPIX)構成銘柄のうち、流動性と時価総額の高い30銘柄を選定した株価指数である「TOPIXコア30」を見てみたい。コア30は、信越化学工業や花王など日本を代表する大型株で構成される。

     コア30と、2000社余りを対象とするTOPIXを比較すると、21年10月まではTOPIXもコア30も同等の推移をたどった。しかし、10月以降はコア30がTOPIXをしのいだ。結局、21年12月下旬での年初来騰落率は、TOPIXが8・3%なのに対して、コア30は12・5%だった。コア30の時価総額上位10銘柄に限っていえば、年初来騰落率の平均は22・1%である(12月20日終値ベース、以下同様)。

     IT関連の成長企業が多い「東証マザーズ株価指数」の年初来騰落率がマイナス22%に沈んだのと比べても、大型株の強さがうかがえる。

    米金融正常化を意識

     コア30構成銘柄のうち、中外製薬とソフトバンクグループは年初来騰落率がマイナス33%台まで落ち込み、上記2銘柄を含む8銘柄がマイナスに終わった。

     しかし、東京エレクトロン(年初来騰落率57・2%)、日立製作所(同53・5%)、リクルートホールディングス(HD、同51・9%)は12月20日時点で年初来50%超の上昇を見せた。このうち、日立は昨年11月がピークで、同22日終値ベースの年初来騰落率が82%に達した。

     PBR(株価純資産倍率)の1倍割れが常態化し「割安株」の代名詞ともなっている三菱商事(同42・2%)、三井物産(同38・5%)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(同36・7%)も30%以上の上昇を見せた。これらの銘柄は配当政策に熱心な割に株価が割安なので、予想配当利回りも3〜4%。日立や東京エレクトロンの1〜2%台を上回り、中長期の保有にも選択肢となる。

     大型株上昇の理由として、楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジストは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を挙げる。21年11月にFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)を開始。その後、テーパリングの加速を決定し、市場は22年に複数回の利上げを意識している。

     米金融政策を意識した米債券市場では、21年9月下旬以降、2年債や5年債の金利が上昇し、債券価格が下落した。債券にも株式にも幅広く投資する「バランスファンド」が債券価格の下落を嫌気して、主要市場の株式に資金をシフトしている可能性がある。

     香川氏は「世界中で投資するバランスファンドが、各主要市場で時価総額も流通総額も大きく、TOPIXといったベンチマーク(指標)に大きく劣後しない銘柄に資金シフトしているのではないか」と分析する。その分析通りならば、米で金融正常化が進む22年も日本の大型株に資金が流入することになる。

    日経平均3・7万円も

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     auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「大型株の論理的なPER(株価収益率)は、おおむね20〜30倍。50倍などと大きくは上下しないが、投資家は安定感を持って取引できるのでは。日経平均株価指数に採用されている企業全体の22年度のEPS(1株当たり利益)は、前年度比2割増が予想される中、もう一段の株価上昇が予想される」と述べる。

     年初来騰落率が低い大型株でも値動きが激しい銘柄は、2〜3日から数週間の短期間で売買を完結させる「スイング取引」に向く。武田薬品工業(同マイナス16%)やソフトバンクグループ、みずほフィナンシャルグループ(同10・6%)などは、個人投資家の間でスイング取引向けに人気だという。

     その大型株を含む日経平均の22年の値動きはどのようになるのだろうか。

     証券会社や運用会社では、高値は3万1000〜3万7000円で、年末にかけて高値をつけるという予想が多い。21年の最高値(3万670円=9月14日)を上回る「夢のある」数字だ。安値は2万7000〜2万8000円台に集中し、その時期も22年前半と回答した社が多い。22年も3万円をはさむ安値と高値の間で売り・買いの好機が何度か訪れそうだ。

    (種市房子・編集部)

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