石川健次氏
掲載記事 56件
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自分の「良心を納得させる」ためだけに描いた画家の軌跡を目撃せよ 石川健次
アートな時間
美術 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 人生も後半生に差し掛かろうかという50歳を機に奄美大島に移り住んだ田中一村は、19年後…
2024年11月15日
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「食わず嫌い」から「興味津々」へ 日本画と印象派の画家2人の対話に耳を傾けて 石川健次
アートな時間
美術 旅する日本画 ─洋上の美術館・飛鳥Ⅲから─ しだれ柳越しに睡蓮(すいれん)が浮かぶ池が広がる。図版の作品だ。屏風(びょ…
2024年8月16日
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パリ市立近代+東京国立近代+大阪中之島の3美術館が持ち寄った“豊かなリソース” 石川健次
アートな時間
美術 TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 引き伸ばされたような細長い顔とアーモンド形の目、とくればピンと…
2024年7月5日
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80歳の画家が自身の軌跡と業績を語り尽くした1点 石川健次
アートな時間
美術 デ・キリコ展 おかしな絵だ。図版に紹介した作品だ。部屋の中央に敷かれたカーペットはどうも海のようだし、まるでギリシャ神…
2024年5月31日
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マティス芸術の到達点とされる切り紙絵に出合う好機 石川健次
アートな時間
美術 マティス 自由なフォルム 20世紀の代表的な画家で“色彩の魔術師”と謳(うた)われるアンリ・マティス(1869~195…
2024年4月19日
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世界に広がる印象派の革新性 愛おしい日常のワンシーン 石川健次
アートな時間
美術 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 19世紀後半のパリで花開いた印象派は、フランス国内にとどまらず、今日に…
2024年3月8日
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改めて“美の巨人”光悦の粗探し それでも宗達とのコラボはぴか一だ 石川健次
アートな時間
美術 特別展「本阿弥光悦の大宇宙」 群れを成して舞い飛ぶ鶴と、糸のように細く、あるいはその何倍もあろうかと思うほど太い筆線で…
2024年2月2日
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西洋絵画の大前提を覆すキュビスムの広範な歴史を一堂に 石川健次
アートな時間
美術 パリ ポンピドゥーセンターキュビスム展─美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ 20世紀初頭、ベル・エ…
2023年12月15日
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彩り豊かな花で色彩を探求したゴッホが結実させた圧倒的な存在感 石川健次
アートな時間
美術 ゴッホと静物画──伝統から革新へ オランダに生まれ、「フランス絵画に切実な憧れ」(本展図録より、以下同じ)を抱いたフィ…
2023年11月3日
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江戸から引き継いだ超絶技巧の明治工芸に連なる17人 “信じられない鍛錬”の結実 石川健次
アートな時間
美術 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA 驚嘆、感嘆の連続だ。福田亨の《吸水》は、3頭のアゲハチョウが水を飲んでいる。…
2023年9月29日
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光をテーマに厳選120点 モネ、ターナー、リヒター――ビッグネーム勢ぞろい 石川健次
アートな時間
美術 テート美術館展 光――ターナー、印象派から現代へ 図版の作品に見覚えがある人は少なくないだろう。フランス印象派の巨匠、…
2023年8月25日
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生々しい肉体の薄気味悪さを描き大正画壇を席巻 映画界では衣装デザインで活躍 石川健次
アートな時間
美術 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性 ギョッとした人は少なくないだろう。図版の作品に、だ。異様、薄気味悪い…
2023年7月21日
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伝統から絵画を解き放つ“色彩の魔術師”の真骨頂 石川健次
アートな時間
美術 マティス展 アンリ・マティス(1869~1954年)の名は、鮮やかな色彩や大胆な筆づかいを特徴とするフォーヴィスムの創…
2023年6月9日
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無茶で得がたい美術展 “ひどい絵”が“記念碑的作品”へ 石川健次
アートな時間
美術 東京国立近代美術館 70周年記念展 重要文化財の秘密 正直言ってこれは無茶な展覧会である──と、企画した東京国立近代美…
2023年5月2日
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抵抗か 恋の駆け引きか ルーヴルから選りすぐり73点 石川健次
アートな時間
美術 ルーヴル美術館展 愛を描く 暗がりのなか、もつれあう男女……。まるでスポットライトに照らされているかのよう。図版に挙げ…
2023年3月24日
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栄光と悲劇の若き天才 エロティックで内省的な身体 石川健次
アートな時間
美術 レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 19世紀末前後にウィーンのアートシーンをけん引したグスタフ・クリムトが死去した19…
2023年2月24日
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パリ・オペラ座-諸芸術とのつながり 舞台裏の微笑ましい一瞬 石川健次
アートな時間
美術 パリ・オペラ座─響き合う芸術の殿堂 パリ・オペラ座の稽古(けいこ)場でバレエのレッスンをする踊り子たちを描いている。図…
2023年1月27日
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天下人の威光と悲哀をしのぶ長谷川等伯と長男久蔵の競演を体験しよう 石川健次
アートな時間
美術 「京都・智積院の名宝」展 天下人の豊臣秀吉は、3歳で夭折した息子、鶴松の菩提寺として、京都に祥雲禅寺(祥雲寺)を建立し…
2022年12月23日
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へんてこりんでけた外れな魅力と、異様な偉容と 石川健次
アートな時間
美術 展覧会 岡本太郎 1970年の大阪万博に行けなかった私は、自慢気に話すクラスの友達がうらやましかった。ずいぶんと親をう…
2022年11月25日
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ともに生誕150年の美術と鉄道が交錯した軌跡 石川健次
アートな時間
美術 鉄道と美術の150年 美術と鉄道は今年、誕生から150年目を迎えた。日本での話だ。えっ、美術も?と思った人は多いに違い…
2022年10月28日
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大阪市美所蔵の名品を館外で一堂に展示する初の機会 石川健次
アートな時間
美術 美をつくし─大阪市立美術館コレクション夢見るようにも、物憂げにも簡潔な表現に尽きない感興 遠くを見渡せる物見台の手すり…
2022年9月30日
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金色に染まった麦の穂にゴッホは生命の終わりを見た=石川健次
アートな時間
美術 国立西洋美術館リニューアルオープン記念自然と人のダイアローグフリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで 黄色に、いや神…
2022年8月26日
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現実は正確には把握しがたい 抽象画然とした画面に隠れる蛮行=石川健次
アートな時間
美術 ゲルハルト・リヒター展 現実は正確には把握しがたい 抽象画然とした画面に隠れる蛮行 抽象画然とした図版の作品は、本来は…
2022年7月22日
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生きた時代も国も異なる2人の画家が「重なり合う」=石川健次
アートな時間
美術 牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児つらく過酷な状況を乗り越え、私たちの心を癒してくれる=石川健次 この…
2022年6月24日
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巨匠の初来日作を前に格別な高揚感=石川健次
アートな時間
美術 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たちベラスケス、ラファエロ、エル・グレコ……西洋絵画史を彩る傑…
2022年5月27日
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美人画の領域に安住せず挑戦 人々の生活の細部に目を 鏑木清方展=石川健次
アートな時間
美術 没後50年 鏑木清方展 美人画の領域に安住せず挑戦 人々の生活の細部に目を 桃の節句を控えた雛市(ひないち)で、ふき綿…
2022年4月22日
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声のひとつひとつを視覚化 「特別展 空也上人と六波羅蜜寺」=石川健次
アートな時間
美術 特別展 「空也上人と六波羅蜜寺」 声のひとつひとつを視覚化 喉ぼとけなど圧巻の迫真性=石川健次 実物を見たことはなくて…
2022年3月25日
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義経、弁慶……ボストン美術館所蔵の浮世絵版画に描かれたヒーローたち(日本初出展118点)=石川健次
アートな時間
美術 ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵─武者たちの物語=石川健次浮世絵版画に描かれたヒーローたち 義経…
2022年2月25日
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日本マンガの「成熟を象徴」、没後も続く新たな展開。谷口ジロー展=石川健次
アートな時間
美術 描くひと 谷口ジロー展 日本マンガの「成熟を象徴」 没後も続く新たな展開=石川健次 私にとっての一番は、図版にも挙げた…
2022年1月28日
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2次元でも3次元でもない新手法で超絶リアルな金魚を描く=石川健次
アートな時間
美術 深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」 躍動する超絶リアルな金魚 “金魚救い”がきっかけの独創=石川健次 まずは図版の作品を見…
2021年12月24日
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日本初公開作品も目白押し。モネやゴッホらの全盛期の絵画が並ぶ=石川健次
アートな時間
鮮やかなプロヴァンスの麦畑 日本初公開《睡蓮の池》も必見美術 イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 モネ、ルノワール、ゴッ…
2021年11月26日
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森村泰昌が今度はあの名画に挑戦! 圧巻の変装85人!=石川健次
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美術 M式「海の幸」 ─森村泰昌 ワタシガタリの神話=石川健次ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌近代屈指の名…
2021年10月29日
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美術 バンクシーって誰?展 謎だらけの覆面アーティスト 再現展示で楽しむ臨場感=石川健次
アートな時間
あの衝撃的な光景を覚えている人は多いと思う。ロンドンの競売大手サザビーズのオークションで2018年、バンクシーの作品に約1…
2021年10月1日
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西洋化に「待った」! 日本と東洋の名作集めた三菱コレクション=石川健次(美術)
アートな時間
美術 三菱創業150周年記念 三菱の至宝展 創業家4代のコレクション 日本や東洋文化への知的関心=石川健次 例えば、江戸時代…
2021年8月27日
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美術 ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ=石川健次
アートな時間
アトリエを飛び出し、戸外へ 新たな制作現場へのこだわり シャンパンで有名なフランス、シャンパーニュ地方のランス市にあるランス…
2021年7月16日
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萬鉄五郎に森村泰昌、日本近代美術の傑作を一挙に見られる絶好の機会=石川健次(美術)
アートな時間
美術 所蔵作品展「MOMATコレクション特別編 ニッポンの名作130年」=石川健次珠玉の名作で近現代をたどる 個性尊重を謳っ…
2021年6月18日
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コロナ禍の今、なつかしの風景にひたりたい 「新版画」川瀬巴水の世界=石川健次
アートな時間
美術 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展=石川健次どこかで見た、なつかしい景色 精緻を極め、情緒にあふれる どこかで見た、なつ…
2021年5月21日
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美術 生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて=石川健次
アートな時間
変わってゆく画風を一目瞭然に “普遍”の視覚化への挑戦 1918年、スペイン風邪に罹患(りかん)したピート・モンドリアン(1…
2021年4月16日
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美術 テート美術館所蔵 コンスタブル展 “自然に忠実に”をモットーに火花散らした“ライバル物語”=石川健次
アートな時間
今にも雨が降ってきそうだ。黒々とした雲は量感にあふれ、たっぷり水気を貯め込んでいるように見える。図版に挙げた作品だ。それほ…
2021年3月19日
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美術 没後70年 吉田博展 グローバルな視点を抱き続け 保存とも懐古とも異なる挑戦=石川健次
アートな時間
故ダイアナ元英国皇太子妃が、同じ作品をロンドンのケンジントン宮殿にあった執務室の壁にかけていたことでも知られる版画である。…
2021年2月19日
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美術 トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション=石川健次
アートな時間
西洋美術作品の豊かなリソース ポストコロナを彩る示唆にも この小稿を書こうとパソコンをオンにした時、届いていたメールに「また…
2021年1月22日
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美術 琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術=石川健次
アートな時間
時空を隔てた等質と異質 関わり深い東西名作を同時体験 印象派が浮世絵から影響を受けたことは広く知られている。19世紀末、ヨー…
2020年12月18日
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美術 1894 Visions ルドン、ロートレック展=石川健次
アートな時間
草創期の洋画家の苦闘はじめ多くの美術的画期に注目の展示 まずは図版を──。あっ、題名は見ないで。どのような作品と思われるだろ…
2020年11月20日
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美術 特別展「桃山―天下人の100年」 信長、秀吉ら英雄割拠の時代 華麗で豪壮な名作が目白押し=石川健次
アートな時間
威風堂々、豪壮華麗な桃山文化を代表する一点だろう。図版の作品だ。縦の長さは2メートル20センチを、横は4メートル50センチ…
2020年10月23日
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美術 上田薫展 流れ落ちるジャムやはちみつ 「一瞬の再現」が放つ瑞々しさ=石川健次
アートな時間
とってもおいしそうなジャム、それもいちごのジャムだ。スプーンから今にもこぼれ落ちそう。図版に挙げた作品だ。こんがり焼いた食…
2020年9月25日
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美術 MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020=石川健次
アートな時間
「ゴジラ」や「エヴァンゲリオン」シリーズ 東京の来し方、行く末を思う 巨大な東京の都市模型に度肝を抜かれた。会場に入ってすぐ…
2020年8月28日
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美術 おいしい浮世絵展~北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~=石川健次
アートな時間
すしに天ぷら、目で楽しむ 江戸の泰平がはぐくんだ多彩な食 子どもが早く食べたくて待ちきれないとでもいうように見上げる目線の先…
2020年7月24日
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美術 オラファー・エリアソン ときに川は橋となる=石川健次
アートな時間
CO2排出抑えて運んだ作品群 「持続可能性」追究する強い思い 会場に足を踏み入れて最初の部屋に、本展主役のアイスランド系デン…
2020年6月26日
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美術 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展=石川健次
アートな時間
ゴッホ自信のひまわり、モネの睡蓮… 世界的「美の殿堂」が初の海外展 4月初め以来、この小稿を書いている5月半ば過ぎに至るまで…
2020年5月29日
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美術 ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります 京の絵画と敦賀コレクション=石川健次
アートな時間
「奇想」を傍流にした当代の主流 平凡とは違う「古くから愛された美」 言ってみれば、どこにでもあるような並の系譜を紹介する展覧…
2020年4月24日