アートな時間
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「大勢の悪夢に現れる同一人物」役に光るニコラス・ケイジの存在感 勝田友巳
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映画 ドリーム・シナリオ「承認欲求」自体は新しい概念ではなくても、こんなに人の口に上るようになったのはSNS(交流サイト)が…
2024年11月15日
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自分の「良心を納得させる」ためだけに描いた画家の軌跡を目撃せよ 石川健次
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美術 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 人生も後半生に差し掛かろうかという50歳を機に奄美大島に移り住んだ田中一村は、19年後…
2024年11月15日
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戦意高揚から反戦へ 栗山民也と大竹しのぶが描き続ける林芙美子の評伝劇 濱田元子
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舞台 こまつ座「太鼓たたいて笛ふいて」 井上ひさしは歴史上の人物を取り上げた数多くの「評伝劇」を書いている。夏目漱石の「吾輩…
2024年11月1日
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90年代の韓国プサンが舞台の金と暴力の政治サスペンス 寺脇研
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映画 対外秘 裏金疑惑、公共事業を巡る不正行為、それを暴く公益通報の握りつぶし……。まるで今の日本政界の有り様みたいだが、こ…
2024年11月1日
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友の死を機に人のつながりが広がるのを水彩画のように描いた群像劇 野島孝一
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映画 アイミタガイ「アイミタガイ」とは、「相身互い」のことだ。お互いさまだから気にしないで、という日本人のやさしさが込められ…
2024年10月18日
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いまこそロシア音楽を聴こう 総勢50人超による4時間の公演開催! 梅津時比古
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クラシック 日本・ロシア音楽家協会創立40周年記念コンサート 日本のクラシックの演奏界にはいくつかの足かせがある。 ひとつに…
2024年10月18日
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近松没後300年 初役の俊寛に挑む菊之助 小玉祥子
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舞台 錦秋十月大歌舞伎 平家女護島(へいけにょごのしま) 俊寛 歌舞伎座の「錦秋十月大歌舞伎」昼の部の序幕では「俊寛」を上演…
2024年10月4日
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筋にも芝居にも無理がない 高水準の演技を保った老優に敬意 芝山幹郎
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映画 2度目のはなればなれ 浜辺にたたずむマイケル・ケインの背後に、看板が見える。描かれているのは《Dデイ70周年記念》の文…
2024年10月4日
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カラフルで濃密 愉快で爽快 潜在するさまざまな喜怒哀楽 石川健次
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美術 田名網敬一 記憶の冒険 戦争中に幼少期を過ごした田名網敬一(1936~2024年)は、本展図録のなかで空襲の記憶に触れ…
2024年9月27日
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荒唐無稽と言い切れない米国の内戦をリアルに描写 勝田友巳
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映画 シビル・ウォー アメリカ最後の日 いくら分断と対立が進んでいるからといって、米国で再び内戦が起きるとは思えない(という…
2024年9月27日
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戦前の日ソ武力紛争の真相を追う戦後の女性編集者の闘いが今につながる仕掛け 濱田元子
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舞台 青年劇場「失敗の研究─ノモンハン1939」 過去の悲惨な経験から人間は何を学んできたのか。二つの戦争が続き、おびただし…
2024年9月13日
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少年と少女、そしてコーチの微妙な関係 氷上に描く爽やかなダンスと恋 寺脇研
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映画 ぼくのお日さま フィギュアスケートを扱った映画というと、「時計 Adieu l'Hiver」(1986年)を思い出す。…
2024年9月13日
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1本の映画で同じ俳優が複数の役柄 3部構成オムニバスの不条理劇 野島孝一
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映画 憐(あわ)れみの3章 アカデミー賞でエマ・ストーンが主演女優賞を受賞した「哀れなるものたち」のヨルゴス・ランティモス監…
2024年9月6日
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未来の大器見いだす「日コン」「学生音コン」本選迫る 梅津時比古
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クラシック 第93回日本音楽コンクール 第78回全日本学生音楽コンクール 今、ピアノを中心に数多くの音楽コンクールがひしめく…
2024年9月6日
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軽快なのにコクがある“リンクレーター・タッチ”が実現させた例外的果実 芝山幹郎
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映画 ヒットマン こんな映画が、もっと頻繁に見られたらいい。もっと劇場にかかり、観客が気楽に感想を述べ合えればいい。「ヒット…
2024年8月30日
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歴代名優が挑んできた難役 義理の息子への“偽りの恋と嫉妬”を菊之助が演じる 小玉祥子
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舞台 秀山祭九月大歌舞伎 摂州合邦辻 歌舞伎座の「秀山祭九月大歌舞伎」昼の部で、尾上菊之助が「摂州(せっしゅう)合邦辻(がっ…
2024年8月30日
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「食わず嫌い」から「興味津々」へ 日本画と印象派の画家2人の対話に耳を傾けて 石川健次
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美術 旅する日本画 ─洋上の美術館・飛鳥Ⅲから─ しだれ柳越しに睡蓮(すいれん)が浮かぶ池が広がる。図版の作品だ。屏風(びょ…
2024年8月16日
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真の主役は実際のスタントマンたち 映画愛あふれるアクション快作 勝田友巳
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映画 フォールガイ スタントマンが主役の映画は、傑作でなくとも憎めない。たいてい主人公がトラブルに巻き込まれ、運動能力と撮影…
2024年8月16日
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原発事故が破壊した暮らし 誇りある農業の回復なるか 寺脇研
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映画 心平、 心平という名の男がいる。30代後半くらいだろうか。何やら挙動が変だ。見ていくうちに、軽度の知的障害らしいことが…
2024年8月2日
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日本の花火師一族の物語 世界の不条理の根源問う 濱田元子
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舞台 NODA・MAP「正三角関係」 前作の「兎、波を走る」もそうだったが、観客を予測だにしないところに連れていくのが野田秀…
2024年8月2日
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戦争に翻弄され苦悩するラジオアナの姿 好評のNHKドラマを再構築 野島孝一
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映画 劇場版 アナウンサーたちの戦争 2023年8月14日にNHK総合で放送されたテレビドラマを再構築して劇場版にした。テレ…
2024年7月26日
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広場を求めない「痛い」ピアノ 「存在の絶対的孤独」を聴く 梅津時比古
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クラシック ヴィレム・ブロンズ ピアノリサイタル オランダのピアニスト、ヴィレム・ブロンズについて、かつて私は新聞に「こうし…
2024年7月26日
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歌舞伎に現代劇に活躍の勘九郎が亡父のあたり役「新三」に初挑戦 小玉祥子
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八月納涼歌舞伎 梅雨小袖昔八丈 髪結新三 8月の歌舞伎座「納涼歌舞伎」の第二部で、歌舞伎から現代劇まで目覚ましい活躍を続ける…
2024年7月19日
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宇宙オタクならではの60年代エピソードと、どこか野暮ったいラブコメの同居 芝山幹郎
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映画 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン あの映像を、私は下北沢の銭湯で見た。脱衣所に置かれた白黒テレビが、映像を流していたのだ…
2024年7月19日
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複雑な内面とカーアクション いずれも堪能できる伝記映画 勝田友巳
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映画 フェラーリ あの跳ね馬印のスポーツカーの生みの親、エンツォ・フェラーリの伝記映画。監督はマイケル・マン、「ヒート」をは…
2024年7月5日
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パリ市立近代+東京国立近代+大阪中之島の3美術館が持ち寄った“豊かなリソース” 石川健次
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美術 TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 引き伸ばされたような細長い顔とアーモンド形の目、とくればピンと…
2024年7月5日
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百年近く前の荷風の小説を原案に現代日本の空虚の内実に迫る 寺脇研
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映画 つゆのあとさき 勤め先のキャバクラの、コロナ禍による閉店を告げる貼り紙をぼうぜんと見る若い女。そうか、あの時期の話か。…
2024年6月28日
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3年目に入る「劇場でしか味わえない魔法」 劇場周辺も魔法の世界に 濱田元子
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舞台 TBS・ホリプロ「ハリー・ポッターと呪いの子」 全世界で累計6億部を超えるというJ・K・ローリングによる全7作の小説『…
2024年6月28日
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注目の若手俳優2名で台湾映画をリメーク ピアノ競演シーンに注目 野嶋孝一
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映画 言えない秘密 音楽がたっぷり入った懐かしい感じのラブストーリーが好きだというあなた。「言えない秘密」はいかがでしょうか…
2024年6月21日
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世界のトップ・ダンサーが集結! バレエ・ファンに至福の季節が到来 梅津時比古
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クラシック 第17回世界バレエフェスティバル&モーリス・ベジャール・バレエ団来日公演 夏から秋にかけて、バレエから目を離せな…
2024年6月21日
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「サイドウェイ」のペイン&ジアマッティが再び醸し出すビタースイートな風味 芝山幹郎
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映画 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ フィルムで撮ったのか、と思わせる始まり方だ。画面には傷が入っている。サウン…
2024年6月14日
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新・時蔵が権力争いに利用された女を演じる六月大歌舞伎は萬屋三代の襲名披露 小玉祥子
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舞台 六月大歌舞伎 妹背山婦女庭訓 三笠山御殿 歌舞伎座の「六月大歌舞伎」では、五代目中村時蔵の初代中村萬壽(まんじゅ)、四…
2024年6月14日
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めいとおばの独特の距離感 他者の視点で知る亡き人の人生 勝田友巳
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映画 違国日記 少年と風変わりなおじさんという組み合わせ、映画にちょくちょく登場する。「男はつらいよ」の寅さんと満男、タイト…
2024年5月31日
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80歳の画家が自身の軌跡と業績を語り尽くした1点 石川健次
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美術 デ・キリコ展 おかしな絵だ。図版に紹介した作品だ。部屋の中央に敷かれたカーペットはどうも海のようだし、まるでギリシャ神…
2024年5月31日
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地面師事件を素材に日本人のメンタリティーを問う 濱田元子
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舞台 JACROW#35「地(ぢ)の面(つら)」 電気自動車のバッテリー開発を巡る会社と個人のあつれき、闇将軍と言われた政治…
2024年5月24日
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日韓のセンスを巧みに融合 相乗効果で生まれたリメイク作 寺脇研
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映画 アンダー・ユア・ベッド 20年前まで、韓国では日本文化がシャットアウトされていたのをご存じだろうか。1945年に日本か…
2024年5月24日
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歌曲の本質を繊細に深く表現するテノール&ピアノ 梅津時比古
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クラシック 歌曲(リート)の森――詩と音楽 Gedichte und Musik 歌曲は音の芸術と言葉の芸術が溶け合ってでき…
2024年5月17日
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日韓スターW主演で魅せる緊迫感あふれる密室心理劇 野島孝一
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映画 告白 コンフェッション 『カイジ』の福本伸行と『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじ。この2人の有名漫画家のコラボによるコミッ…
2024年5月17日
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四世左團次没後1年 長男の男女蔵らがゆかりの演目で追善 小玉祥子
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舞台 團菊祭五月大歌舞伎 四世市川左團次一年祭追善狂言 毛抜 敵役から英雄まで多くのあたり役を持った立役(たちやく)、四世市…
2024年5月3日
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学校という「いびつな空間」に潜む病巣がつぎつぎと 芝山幹郎
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映画 ありふれた教室 学校というのは奇怪な空間だ。教師と事務職員と生徒がいて、それぞれの間に埋めがたい落差や断絶がある。その…
2024年5月3日
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居場所がないキレる9歳女児の怒りと、彼女に寄り添う大人たちの奮闘 勝田友巳
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映画 システム・クラッシャー 映画にやんちゃな子供が登場することは珍しくないが、ドイツ映画「システム・クラッシャー」の主人公…
2024年4月19日
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マティス芸術の到達点とされる切り紙絵に出合う好機 石川健次
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美術 マティス 自由なフォルム 20世紀の代表的な画家で“色彩の魔術師”と謳(うた)われるアンリ・マティス(1869~195…
2024年4月19日
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弱小高校男子バスケ部の実話が下敷きの心地良いスポーツ青春映画 寺脇研
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映画 リバウンド 大谷翔平選手の結婚相手が元バスケットボール選手だったことで、この競技にも注目が集まっている。彼女の所属して…
2024年4月5日
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不完全な人間を肯定的に描く「デカローグ」全10編 3カ月のロングラン開幕 濱田元子
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舞台 新国立劇場「デカローグ」 唯一神の信仰を求め、偶像崇拝や殺人、姦淫(かんいん)、盗みなどを戒める「十戒」は、旧約聖書の…
2024年4月5日
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初恋の2人が12歳で別れて12年、また12年……再会をめぐる機微を描く 野島孝一
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映画 パスト ライブス/再会 アメリカ在住のセリーヌ・ソン監督が、自らの経験に基づいて撮った作品。題名は「Past Live…
2024年3月29日
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ピアニスト2人の友情で継続 今年も世界の才能が結集 梅津時比古
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クラシック 未来を創る 第24回別府アルゲリッチ音楽祭 地名を冠した音楽祭は「バイロイト音楽祭」「ザルツブルク音楽祭」「東京…
2024年3月29日
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愛之助が侠客と女房の二役 義理にからまれた悲劇演じる 小玉祥子
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舞台 歌舞伎座 四月大歌舞伎 夏祭浪花鑑 夏の大坂を舞台に侠客(きょうかく)・団七九郎兵衛の義理にからめた悲劇が描かれる「夏…
2024年3月22日
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家族や血縁の厄介さを描きつつ複雑なプロレス世界を刺し貫く 芝山幹郎
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映画 アイアンクロー プロレスラーには短命の選手が多い。ブルーザー・ブロディは42歳で刺殺された。橋本真也は40歳で脳幹出血…
2024年3月22日
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犯人探しより心理、葛藤を重視 捜査の男性中心構造浮き彫りに 勝田友巳
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映画 12日の殺人 殺人事件を追いかける刑事たちの話だが、いわゆる刑事ものを期待すると肩すかし。監督は「ハリー、見知らぬ友人…
2024年3月8日
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世界に広がる印象派の革新性 愛おしい日常のワンシーン 石川健次
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美術 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 19世紀後半のパリで花開いた印象派は、フランス国内にとどまらず、今日に…
2024年3月8日