アートな時間
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真摯にして純正のハーモニー ア・カペラ合唱団の魅力に浸る 梅津時比古
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クラシック 里井宏次&ザ・タロー・シンガーズ 第18回東京定期演奏会~天上へ架けるエレガンス~ 関西文化圏は独特なものを生み…
2023年6月30日
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ウクライナ人女性監督が描く第2次大戦下の崇高な人間愛 野島孝一
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映画 キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた) これは、第二次世界大戦中のポーランドで歴史に翻弄(ほんろう)され…
2023年6月30日
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仁左衛門が切なくかわいい放蕩息子の悲劇を上方型で上演 小玉祥子
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舞台 六月大歌舞伎 義経千本桜 義太夫狂言「義経千本桜」は源平の合戦で平家が敗れて後の世を舞台とし、歌舞伎の三大名作に数えら…
2023年6月16日
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ひと味違う中毒者映画 主演の演技がめざましい 芝山幹郎
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映画 To Leslie トゥ・レスリー アルコール依存症の映画は数多い。「失われた週末」(1945年)をはじめ、「リービン…
2023年6月16日
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エゴの激突で憎悪が噴出する果てのクライマックスが素晴らしい 勝田友巳
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映画 波紋 世の中ストレスばっかりで、心穏やかに生きるのは難しい。黒い感情を抱かずに日々を過ごせたら、どんなにいいか。この映…
2023年6月9日
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伝統から絵画を解き放つ“色彩の魔術師”の真骨頂 石川健次
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美術 マティス展 アンリ・マティス(1869~1954年)の名は、鮮やかな色彩や大胆な筆づかいを特徴とするフォーヴィスムの創…
2023年6月9日
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経済の本質は戦い ビジネス劇3作を再構築 濱田元子
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舞台 JACROW#33「経済(せんそう)3篇」 タイトルは「経済」と書いて「せんそう」と読ませる。 政界や企業を舞台に、そ…
2023年6月2日
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役者・光石研への“アテ書き”で実直な男を味わい深く描く 寺脇研
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映画 逃げきれた夢 光石研は、日本映画を代表するバイプレーヤーの一人として長年にわたり活躍してきている。ただ、16歳で「博多…
2023年6月2日
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立場の違いや人の多面性を描いた先の「怪物だーれだ?」 野島孝一
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映画 怪物 夜の火災。雑居ビルが燃えている。それを自宅のベランダから見ている母親と小学生の息子。息子が問う。「豚の脳を移植し…
2023年5月26日
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「歌」とは何? バイオリニストが自らの存在理由を問う旅 梅津時比古
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クラシック 久保田巧 ヴァイオリンは歌う vol.3 オペラの愉しみ 音楽にとって「歌」とは近くて遠いもの、遠くて近いものか…
2023年5月26日
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東大寺・お水取りの要素を加味した舞踊劇 尾上松緑が13年ぶりに 小玉祥子
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舞台 團菊祭五月大歌舞伎 達陀 天平勝宝4(752)年の大仏開眼以来、奈良・東大寺二月堂で途絶えることなく受け継がれてきた「…
2023年5月12日
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サイフォンの原理を応用して断片的な記憶に流れを与える 芝山幹郎
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映画 aftersun/アフターサン サイフォンを使ってコーヒーを抽出する。私は昔、その仕組みが腑(ふ)に落ちなかった。人に…
2023年5月12日
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順風満帆から徐々に狂う人生 圧巻のケイト・ブランシェット 勝田友巳
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映画 TAR/ター クラシック界を舞台にした音楽映画としても、創造者集団内のスリラーとしても、一級の出来栄え。アカデミー賞で…
2023年5月2日
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無茶で得がたい美術展 “ひどい絵”が“記念碑的作品”へ 石川健次
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美術 東京国立近代美術館 70周年記念展 重要文化財の秘密 正直言ってこれは無茶な展覧会である──と、企画した東京国立近代美…
2023年5月2日
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韓国の“自己責任”社会を反映 子供を含むホームレス描く 寺脇研
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映画 高速道路家族 3月16、17日の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領訪日をきっかけに、日韓関係改善の方向が見えてきたのは喜ば…
2023年4月21日
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豊かな自然に囲まれた静岡に中仏韓日の演劇が集結 濱田元子
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舞台 ふじのくに⇄せかい演劇祭2023 富士山を望む劇場や歴史を感じさせる駿府城公園、日本平の豊かな自然に囲まれた野外舞台。…
2023年4月21日
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芸術ばかりか対話も真摯に展開 フランスの至宝の来日実現 梅津時比古
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クラシック ジャン=クロード・ペヌティエ 80歳アニヴァーサリーリサイタル ピアニストのジャン=クロード・ペヌティエが、フラ…
2023年4月14日
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フランス映画の総力挙げて描く文豪バルザックの華麗な世界 野島孝一
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映画 幻滅 原作は文豪バルザックの小説。最近ではこのような古典小説が映画化されるのは珍しい。19世紀前半の話なので、時代劇の…
2023年4月14日
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10年ぶりの「陰陽師」は古典様式の新作 隼人に染五郎ら花形俳優が競演 小玉祥子
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舞台 鳳凰祭四月大歌舞伎 新・陰陽師 滝夜叉姫 夢枕獏作の伝奇小説を原作にした新作歌舞伎「新・陰陽師(しんおんみょうじ) 滝…
2023年3月31日
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肉体は牢獄、まなざしは楽天的、そんな実例を目撃できる室内劇 芝山幹郎
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映画 ザ・ホエール 窓の外を、ときおり小鳥の影がよぎる。扉の外から、ピザの配達係が声をかける。 部屋の主は表へ出ない。アイダ…
2023年3月31日
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ベルギーに来たアフリカ難民の少女と少年を通して弱者の現実の過酷さを描くダルデンヌ兄弟 勝田友巳
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映画 トリとロキタ ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟監督は、もっぱら社会の片隅で不当に苦しんだり闘ったりしている人…
2023年3月24日
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抵抗か 恋の駆け引きか ルーヴルから選りすぐり73点 石川健次
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美術 ルーヴル美術館展 愛を描く 暗がりのなか、もつれあう男女……。まるでスポットライトに照らされているかのよう。図版に挙げ…
2023年3月24日
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モデルは高校時代の小中和哉監督自身 8ミリ映画をつくる青春群像劇 寺脇研
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映画 Single8 2011年のアメリカ映画「SUPER8/スーパーエイト(原題Super8)」は、ビデオの前の8ミリフィ…
2023年3月17日
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不寛容な時代に問う「まちがい」 コント赤信号が28年ぶり舞台に 濱田元子
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舞台 赤信号劇団第15回公演 「誤餐(ごさん)」 渡辺正行、ラサール石井、小宮孝泰の多才な3人からなる「コント赤信号」が、テ…
2023年3月17日
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集大成ではなく新たな出発点に 80歳のチェリストの挑戦 梅津時比古
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クラシック 堤剛 80歳記念チェロ・リサイタル集大成ではなく新たな出発点に 80歳のチェリスト・堤剛の挑戦 チェリストの堤剛…
2023年3月10日
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朝鮮vs.日本 16世紀末の海戦を豪華俳優陣とVFXで鮮烈に描く 野島孝一
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映画 ハンサン 龍の出現 韓国ばかりか日本でも知られる朝鮮の海将イ・スンシン(李舜臣)の率いる水軍が日本水軍を打ち破った文禄…
2023年3月10日
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節度の保たれたリメイクだ。主人公が観客のそばにいる 芝山幹郎
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映画 生きる LIVING ミスター・ウィリアムズ(ビル・ナイ)が〈ラウアン・トゥリーの歌〉を口ずさむ場面が、映画に2度出て…
2023年3月3日
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着想は『リチャード三世』から。松本幸四郎主演で描く陰謀惨劇 小玉祥子
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舞台 三月大歌舞伎 花の御所始末 古典と新作の両方で縦横に活躍する松本幸四郎が歌舞伎座の「三月大歌舞伎」で新作歌舞伎「花の御…
2023年3月3日
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おバカなSFアクション家族コメディー 異才が爆発したセカイ系大作 勝田友巳
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映画 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス さえない中年女性の前に、並行宇宙から来たと言う人物が現れ、「世界を…
2023年2月24日
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栄光と悲劇の若き天才 エロティックで内省的な身体 石川健次
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美術 レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 19世紀末前後にウィーンのアートシーンをけん引したグスタフ・クリムトが死去した19…
2023年2月24日
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30歳の新鋭監督が日本の停滞を象徴するWinny事件を重量感ある法廷劇に 寺脇研
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映画 Winny Winnyって何? と戸惑うのはわたしのような高齢の情報弱者なのだろう。本誌読者の皆さんにおかれては先刻承…
2023年2月17日
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愛と葛藤を描いたモームの傑作 充実の俳優陣と緻密な新訳で 濱田元子
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舞台 俳優座劇場プロデュース公演「聖なる炎」 『人間の絆』や『月と六ペンス』といった小説で知られるイギリスの作家、サマセット…
2023年2月17日
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図らずも主演女優の遺作に シニカルな笑いに満ちた逆転劇 野島孝一
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映画 逆転のトライアングル「フレンチアルプスで起きたこと」などを手がけたスウェーデン出身のリューベン・オストルンド監督の傑作…
2023年2月10日
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ウクライナ在住作曲家中心に平和への祈り込めて開催 梅津時比古
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クラシック シルヴェストロフ 平和への道コンサート──バッハからシルヴェストロフへ:平和を愛する全ての人へ ロシアとウクライ…
2023年2月10日
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冷酷な浪人とうり二つの町人 仁左衛門が「一世一代」の二役 小玉祥子
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舞台 霊験亀山鉾 亀山の仇討 片岡仁左衛門が東京・歌舞伎座の「二月大歌舞伎」で、これが最後を意味する「一世一代」と銘打って「…
2023年2月3日
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ヒッチコック「めまい」を換骨奪胎し大胆な話法で恋着と疑惑を描く 芝山幹郎
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映画 別れる決心 パク・チャヌク監督の映画には、唐突な転調が多い。始まるときは助走を省くし、映画の中盤で新しい登場人物が突然…
2023年2月3日
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パリ・オペラ座-諸芸術とのつながり 舞台裏の微笑ましい一瞬 石川健次
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美術 パリ・オペラ座─響き合う芸術の殿堂 パリ・オペラ座の稽古(けいこ)場でバレエのレッスンをする踊り子たちを描いている。図…
2023年1月27日
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物語がどこへ向かうのか分からないまま目が離せない怪作 勝田友巳
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映画 イニシェリン島の精霊 ヘンな人が登場して常識外れのことが次々と起きるからコメディーには違いないのに、あまりにグロテスク…
2023年1月27日
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90年代前半のプサンを背景に「仁義なき」世界を描く 寺脇研
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映画 野獣の血 かつて日本には、「ヤクザ映画」と名付けられた系譜があった。中でも、今年が公開50周年となる菅原文太主演「仁義…
2023年1月20日
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当事者同士が直接向き合う、豪州の「修復的司法」を演劇で提示 濱田元子
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舞台 俳優座「対話」 裁判で白黒つけるのは簡単だ。だが、それで被害者や被害者家族が救われ、事件が起こるに至った問題の根幹が解…
2023年1月20日
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#Me tooの発端記事を放った女性記者がモデル 女性スタッフの怒りの作品 野島孝一
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映画 SHE SAID/シー・セッド その名を暴け ハーヴェイ・ワインスタインという名に記憶があるだろうか。映画に詳しい人な…
2023年1月13日
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古楽器・古楽奏法を超えて魅せる新たな音楽 チケット売り切れ必至 梅津時比古
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クラシック 庄司紗矢香 with モディリアーニ弦楽四重奏団 & ベンジャミン・グローヴナー いろいろな演奏家がいるのに、誰…
2023年1月13日
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緑の谷と栗毛駒に正直者の情感が絡み…… 芝山幹郎
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映画 ドリーム・ホース 映画で描かれる競走馬は、後方から追い込んで勝つケースが多い。わかりやすい絵解きだ。気が弱かったり、世…
2023年1月6日
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河竹黙阿弥が翻案した世話物に人気の坂東弥十郎が初挑戦 小玉祥子
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舞台 人間万事金世中 強欲勢左衛門始末 歌舞伎作者が明治に入り、当時の世相・風俗を織り込んで書いた世話物は「散切物(ざんぎり…
2023年1月6日
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3時間超の続編だが、映像技術の進化と王道のストーリーで見飽きさせない 勝田友巳
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映画 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター ジェームズ・キャメロン監督、なにやら神がかっている。2009年の「アバター」で惑星…
2022年12月23日
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天下人の威光と悲哀をしのぶ長谷川等伯と長男久蔵の競演を体験しよう 石川健次
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美術 「京都・智積院の名宝」展 天下人の豊臣秀吉は、3歳で夭折した息子、鶴松の菩提寺として、京都に祥雲禅寺(祥雲寺)を建立し…
2022年12月23日
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バイオテロに遭遇の旅客機が象徴する世界の「分断」と解決のヒント 寺脇研
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映画 非常宣言「非常宣言」とは、航空機が発する緊急時不時着要請を指す航空用語だという。ここでは、ソウル→ホノルル便旅客機がバ…
2022年12月16日
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近代日本の文学者たちによる言葉を巡る群像劇 SNSやAIも登場 濱田元子
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舞台 青年団「日本文学盛衰史」 森鷗外、田山花袋、二葉亭四迷、島崎藤村、夏目漱石、石川啄木、樋口一葉、正岡子規、与謝野晶子……
2022年12月16日
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実在の人物をモデルにシベリアの強制収容所の過酷な日々描く 野島孝一
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映画 ラーゲリより愛を込めて 第二次世界大戦後、60万人を超える日本人が、ソ連軍によってシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に収…
2022年12月9日
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コロナ禍で得た時間に古楽器研究 庄司紗矢香が新境地を披露 梅津時比古
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クラシック 庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ・デュオリサイタル コロナ禍は、売れっ子の演奏家に、思いもよらぬ時間を与えた側…
2022年12月9日