アートな時間
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美術 ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります 京の絵画と敦賀コレクション=石川健次
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「奇想」を傍流にした当代の主流 平凡とは違う「古くから愛された美」 言ってみれば、どこにでもあるような並の系譜を紹介する展覧…
2020年4月24日
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映画 精神0 引退する医師と認知症進む妻 「観察映画」が12年ぶり続編=勝田友巳
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想田和弘監督は、「観察映画」と名付けた独特のドキュメンタリーを作り続けている。自身で「十戒」を定めていて、リサーチはしない…
2020年4月24日
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舞台 「サンシャイン・ボーイズ」 加藤健一事務所 老コメディアンの哀歓 円熟の俳優2人が挑む=濱田元子
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書けば当たる。米ブロードウェーの喜劇王と言われたのが劇作家ニール・サイモン(1927~2018年)だ。 軽妙なセリフ、歯切…
2020年4月17日
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映画 はちどり 中学2年の少女の困難を通して日韓両国に共有の記憶を観る=寺脇研
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舞台は1994年のソウルだ。中学2年生の少女の送る日々が描かれていく。88年のソウル五輪から6年、朝鮮戦争の荒廃から復興し…
2020年4月17日
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映画 劇場 又吉文学の鬱屈したリアル描く ラストで演劇的仕掛けが作動=野島孝一
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芥川賞を受賞し、純文学としては異例のベストセラーになった又吉直樹の『火花』。『劇場』はその又吉直樹が『火花』よりも前に書き…
2020年4月10日
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クラシック ワーグナー 楽劇 トリスタンとイゾルデ (演奏会形式・字幕付) 2週連続上演=梅津時比古
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公演を2回に分ける珠玉の発想 最高の布陣でワーグナーを聴く 新型コロナウイルス感染の危険性が高いとして、大規模な集まりの自粛…
2020年4月10日
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舞台 新橋演舞場 四月大歌舞伎 籠釣瓶花街酔醒=小玉祥子
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自らの人生決められない悲しみ 吉原の花魁(おいらん)めぐる愛憎劇で描く 中村吉右衛門と尾上菊之助が、新橋演舞場の「四月大歌舞…
2020年4月3日
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映画 フェアウェル 蛍光灯がなぜか暖かい 感情の色彩も重層的だ=芝山幹郎
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「フェアウェル」は「お別れ」を意味する。英語の題も日本語の題も同じだ。だが、中国語の題名は「彼女に言わないで」と訳すことがで…
2020年4月3日
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映画 在りし日の歌 国家に翻弄される夫婦描く “第6世代”監督の静かな抗議=勝田友巳
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中国映画の監督たちは、しばしば「世代」でくくられる。20世紀初め、映画草創期の第1世代から数えて、現在は「改革開放」政策の…
2020年3月27日
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美術 画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン=石川健次
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画家の発想源となった子ども 色彩の“素朴で強い力” 可憐(かれん)で無垢(むく)で、ともかく可愛い。図版に挙げた作品だ。描か…
2020年3月27日
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舞台 PARCO劇場オープニング・シリーズ「ピサロ」=濱田元子
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異文化の衝突描く傑作再び 現代社会の根源的問題に迫る 南米大陸のアンデス山脈に、太陽神を信仰し、高度な文明を有する国家が栄え…
2020年3月20日
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映画 もみの家 故郷に腰を据えた1年間の撮影 少女の自立、再出発描く=寺脇研
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「もみの家」とは、不登校、ひきこもり、ニートなどさまざまな問題を抱える若者が共同生活を送りながら自立への取り組みを進めていく…
2020年3月20日
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バレエ モーリス・ベジャール・バレエ団 2020年日本公演=梅津時比古
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若くして逝った2人を悼み 現世と来世を往還する幻想性 新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で軒並みコンサートが中止になってい…
2020年3月13日
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映画 21世紀の資本 ピケティなど経済学者が続々 ドキュメンタリーと意外な相性=野島孝一
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『週刊エコノミスト』で映画を紹介している身で言うのはおこがましいが、経済と映画は、あまり相性がよくない。一般的に経済は難しい…
2020年3月13日
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舞台 通し狂言 義経千本桜 三月、三大名作、主要三役 花形俳優・尾上菊之助が挑戦=小玉祥子
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演技力と美しさを兼ね備えた花形俳優、尾上菊之助が、東京・国立劇場小劇場の「3月歌舞伎公演」で、「義経千本桜(よしつねせんぼ…
2020年3月6日
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映画 ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方=芝山幹郎
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共生という繊細なダンス 不調和がもたらした調和 エコロジー、プラネット・アース、自然農法……ベーシックで、まっとうな考え方と…
2020年3月6日
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映画 子どもたちをよろしく 傷つけ合う子どもたちを通して大人社会の「ゆがみ」問う=勝田友巳
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いじめは、今のように大きな社会問題になる前から、映画のかっこうの題材だった。主人公が弱い立場に置かれていることの象徴だった…
2020年2月28日
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美術 生誕120年・没後100年 関根正二展=石川健次
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20歳と2カ月で夭折した画家 あふれる鮮烈な色彩と幻想性 絵を見て妄想に耽(ふけ)るのが好きだ。気色悪いと自分でも思う。でも…
2020年2月28日
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舞台 こまつ座「きらめく星座」 忍び寄る戦争と庶民生活 言葉の力、輝く長台詞に注目=濱田元子
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時代と人間を深く見つめ、機知とユーモアあふれる言葉でやさしく包み込んだ劇作家・井上ひさしが亡くなって、この4月で10年とな…
2020年2月21日
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映画 スウィング・キッズ 鮮やかなダンスと成長の陰で運命に翻弄される若者たち=寺脇研
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タップダンスのシューズが並び、主人公2人の踊る躍動感が伝わってくる図柄のポスターといい、みごとな群舞場面が連続する予告編と…
2020年2月21日
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クラシック 第88回日本音楽コンクール受賞者発表演奏会=梅津時比古
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各部門1位の強者が勢ぞろい 火花散らす若き才能に酔う一夜 ここのところ日本音楽コンクールが大変な注目を集めている。コンクール…
2020年2月14日
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映画 影裏 鮮やかな岩手の自然と男2人の複雑な奥底描く=野島孝一
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「るろうに剣心」などの大友啓史監督の最新作。原作は2017年に芥川賞を受賞した沼田真佑の同題小説。原作者が暮らす岩手県が舞台…
2020年2月14日
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映画 スキャンダル 勧善懲悪では終わらない難問 権力濫用の先にはなにが潜む?=芝山幹郎
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アメリカでは派手に報道された話だから、記憶している方が多いかもしれない。 FOXニュース社のCEOロジャー・エイルズが度重…
2020年2月7日
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舞台 十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言 菅原伝授手習鑑=小玉祥子
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十三世が得意とした菅丞相 初演から25年、当代が再び挑む「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」は「仮名手本忠臣…
2020年2月7日
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美術 ハマスホイとデンマーク絵画 魅了する静まり返った室内 簡潔な印象が際立つ風景画=石川健次
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聞きなれない名前かもしれない。デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864~1916)である。印象派に続いてポスト…
2020年1月31日
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映画 1917 命をかけた伝令 映像以外のメタ情報一切なく 切れ目なき視界に観客を投入=勝田友巳
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第一次世界大戦中の伝令兵が過ごした決死の一昼夜を、始めから終わりまで、同じカメラで途切れず撮り続けた(ように見える)“全編…
2020年1月31日
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舞台 俳優座劇場プロデュース「彼らもまた、わが息子」=濱田元子
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過去に向き合う視点が再評価 A(アーサー)・ミラー作品を新訳で上演 社会と人間を鋭く見据えた20世紀を代表する米劇作家、アー…
2020年1月24日
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映画 愛国者に気をつけろ!鈴木邦男 「真に善きこと」を追究する右派思想家の無欲な生き様=寺脇研
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ドキュメンタリー映画が元気だ。昔は「文化映画」と称されて、公民館など公共施設でひっそりと上映されていたのが、今や映画館で堂…
2020年1月24日
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クラシック ポローニア・クァルテット サロンコンサート=梅津時比古
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期待の弦楽四重奏団 待望のサロンデビュー 日本はかつて、3次にわたる桐朋弦楽四重奏団、世界を股に活躍した東京クァルテットと、…
2020年1月17日
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映画 嘘八百 京町ロワイヤル 前作をしのぐ華麗さとスケール だまし、だまされる娯楽傑作=野島孝一
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「嘘八百」は、骨董品をめぐって、劇中の登場人物と一緒に観客もだまそうとする「コンゲーム」映画として好評だった。だが、まさか続…
2020年1月17日
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舞台 奥州安達原 袖萩祭文 正体隠した攻防の中 胸を打つさまざまな親子の情=小玉祥子
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1月は東京だけでも4劇場で歌舞伎公演が催されている。歌舞伎座では現代を代表する俳優が名作を中心に上演中だ。昼の部では中村芝…
2020年1月10日
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映画 フォードvsフェラーリ 車の轟音と男たちの咆哮が響く 息つぐ暇もない傑作娯楽映画=芝山幹郎
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レースの描写が迫力満点で、人と人のぶつかり合いも素晴らしくダイナミックだ。これぞ古典的なアクション映画の王道だが、その充実…
2020年1月10日
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映画 パラサイト 半地下の家族 競争社会の不条理を戯画化 家族総出で醸し出す黒い笑い=勝田友巳
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経済格差が拡大して富裕層と貧困層が分断され、階層が固定し、貧しい者が貧しい者を生む負のスパイラル。世界中で起きている悲劇に…
2020年1月3日
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美術 大浮世絵展 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演=石川健次
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世界中から集まった浮世絵の粋 娘を思う父、道ならぬ恋 歌舞伎の一場面に取材した東洲斎写楽の役者絵である。図版に挙げた作品だ。…
2020年1月3日
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映画 コンプリシティ 優しい共犯 異国で苦闘する青年への優しさ 名優の個人史にも連なる注目作=寺脇研
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2019年4月から、出入国管理法の改正により新たな在留資格「特定技能」が新設され、人材不足業種に、一定の技能と日本語能力を…
2019年12月20日
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舞台 劇団青年座「からゆきさん」 明治期の「棄てられた民の怒り」 現代にもリアルに響く普遍性=濱田元子
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日本が長い鎖国の夢から覚めた明治時代、外国との戦争で国力を増していくなか、言葉たくみに連れ出された若い女性たちが東南アジア…
2019年12月20日
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クラシック クラシック・ヨコハマ 2019=梅津時比古
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若手演奏家デビューに立ち会う 特別な瞬間を100カ所以上で コンクールで栄誉を受けたばかりの若い演奏家を次々に聴くことのでき…
2019年12月13日
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映画 男はつらいよ50「お帰り寅さん」 50年目にしてまさかの50作=野島孝一
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「寅さん」で親しまれた渥美清さんが亡くなったのは、1996年。翌年、再編集された49作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花…
2019年12月13日
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映画 ロング・ショット/僕と彼女のありえない恋=芝山幹郎
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国務長官と短慮な男の恋 「強い女」の先にはなにが? シャーリーズ・セロンが演じるシャーロットは、次期大統領を狙う国務長官だ。…
2019年12月6日
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舞台 蝙蝠の安さん チャップリン生誕130年 翻案作品に松本幸四郎が挑む=小玉祥子
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今年は喜劇映画に一時代を画し、今なお作品が世界中で愛されるチャールズ・チャップリンの生誕130年。そのチャップリンの代表作…
2019年12月6日
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映画 家族を想うとき ささやかな幸せがつかめない、フリーランス労働者の不条理=勝田友巳
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ケン・ローチ監督、83歳。「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年)を最後に一線を退いたはずなのに、世の中の不正義に黙…
2019年11月29日
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美術 ゴッホ展 ハーグ派と印象派 人生を変えた二つの出会い=石川健次
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37歳で亡くなったフィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜90年)が、画家として活動したのは10年に過ぎない。画商を志すも…
2019年11月29日
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舞台 KAAT神奈川芸術劇場 「常陸坊海尊」=濱田元子
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戦後史にして同時に今日の劇 秋元松代戯曲に長塚圭史が挑む 池田勇人内閣が「所得倍増計画」を策定したのが1960年。日本は高度…
2019年11月22日
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映画 M/村西とおる 狂熱の日々 完全版 「AV界の帝王」怒涛の日々描く 異色のドキュメンタリー=寺脇研
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40代以上の男性読者の皆さんであれば、村西とおる、という名前に覚えがあるはずだ。1980年代半ばから90年代にかけて、アダ…
2019年11月22日
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映画 テルアビブ・オン・ファイア パレスチナ問題を笑い飛ばす図太くユーモアあふれる注目作=野島孝一
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パレスチナ出身、コロンビア大学で学んだサメフ・ゾアビ監督の作品。第75回ベネチア国際映画祭で作品賞を受賞した。通俗的なテレ…
2019年11月15日
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クラシック 東京・春・音楽祭 2020 来春、5週間連続で豪華な祭典 東京・上野の桜の森で堪能=梅津時比古
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年末を通り越して来春に思いをめぐらそう。 東京・上野の花盛りと共にやってくる「東京・春・音楽祭 2020」の概要が発表され…
2019年11月15日
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映画 IT/イット THE END キングの奇想に力勝負を挑む 狙いは現代の活動大写真だ=芝山幹郎
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2017年に公開された「IT/イット」の続篇といっても誤りではないが、後篇と呼ぶほうがぴったり来る。1989年秋にメイン州…
2019年11月8日
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舞台 吉例顔見世大歌舞伎 梅雨小袖昔八丈 髪結新三=小玉祥子
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小悪党かつ気風のいい男ぶり あたり役の尾上菊五郎に期待 河竹黙阿弥の人気作品「髪結新三」の主人公、新三を、東京・歌舞伎座の1…
2019年11月8日
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映画 ラフィキ ふたりの夢 同性愛を描いて上映禁止 ケニア映画のみずみずしさ=勝田友巳
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デジタル化の波は世界の隅々にまで及び、映画の地図に“辺境”は存在しなくなった。あらゆるところで映画が生まれ、届けられる。ケニ…
2019年11月1日
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美術 コートールド美術館展 魅惑の印象派 美術史を彩る名作が目白押し 近代都市パリの婚活風景?=石川健次
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20世紀初頭、レーヨンの製造・国際取引で莫大(ばくだい)な富を得た英国の実業家、サミュエル・コートールド(1876~1947…
2019年11月1日