アートな時間
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「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子
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舞台 新国立劇場「反応工程」 「国家」と「個人」の論理 軍需工場を舞台に問う=濱田元子〈戦争の大義はすでに残骸と化していた。…
2021年6月11日
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映画 いとみち 津軽三味線と少女の青春 オール現地ロケで魅せる美しさ=寺脇研
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新型コロナウイルスが猛威を振るう中、つい他の社会問題を見失ってしまいそうだ。 未来を中長期的に展望すると、重要で深刻なのは…
2021年6月11日
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「セイジ・オザワ松本フェス」2年ぶり開催決定に込めた思い=梅津時比古
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クラシック 2021セイジ・オザワ 松本フェスティバル=梅津時比古小澤征爾総監督の熱意で2年ぶりに開催が決定 日本における新…
2021年6月4日
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英人気ブランド「TOPSHOP」オーナーがモデルの凋落悲喜劇
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映画 グリード ファストファッション帝国の真実=野島孝一搾取、成り上がり、破綻…… 英企業家描くブラックユーモア 社会派から…
2021年6月4日
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平穏の陰の不穏を描きつつ より深い陰翳に手を伸ばす=芝山幹郎
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映画 逃げた女 平穏の陰の不穏を描きつつ より奥深い陰翳に手を伸ばす そよそよと風が吹いているような気がする。鳥の鳴き声も、…
2021年5月28日
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転落と流転と悪事と 三者がからみ合う鶴屋南北の人気作=小玉祥子
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舞台 六月大歌舞伎 桜姫東文章 下の巻 転落と流転と悪事と 三者がからみ合う南北の人気作 東京・歌舞伎座の「四月大歌舞伎」で…
2021年5月28日
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映画ならではのビジュアル技法満載 葛飾北斎の生涯描くエンタメ快作=勝田友巳
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映画 HOKUSAI 苦悩よりカタルシスの娯楽大作 「天才絵師」誕生の瞬間を活写=勝田友巳 芸術家、中でも画家の生涯は映画と…
2021年5月21日
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コロナ禍の今、なつかしの風景にひたりたい 「新版画」川瀬巴水の世界=石川健次
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美術 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展=石川健次どこかで見た、なつかしい景色 精緻を極め、情緒にあふれる どこかで見た、なつ…
2021年5月21日
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映画 茜色に焼かれる 社会的弱者の現実と闘い描く 本邦初の「コロナ時代」映画=寺脇研
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この映画は、コロナ禍が広がった後に作られたものだ。石井裕也監督は、昨年夏に話を思いつき一気に撮り上げたのだという。全国規模…
2021年5月14日
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舞台 青年座「アルビオン 白亜の地イングランド」 EU離脱の心理状況を英国式庭園再生に重ね=濱田元子
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英国がEU(欧州連合)を離脱する「ブレグジット」が、2020年末に完全終結して4カ月あまり。経済への影響に加え、英国からの…
2021年5月14日
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映画 いのちの停車場 東京を離れ、小さな診療所へ 在宅の終末医療が描く生と死=野島孝一
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吉永小百合が地方都市で在宅医療に携わる小さな診療所の医師を演じる。原作は現役の医師、南杏子。 白石咲和子(吉永小百合)は、…
2021年5月7日
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クラシック ダニエル・バレンボイム ピアノ・リサイタル ベートーヴェン ピアノ・ソナタの系譜=梅津時比古
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コロナ禍の中、巨匠の来日決定 熟したピアノ・ソナタを楽しむ ベートーベンのピアノ・ソナタ全32曲が、ピアニストにとって新約聖…
2021年5月7日
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映画 シカゴ7裁判 おかしくて大真面目な法廷劇 切れる頭と笑いの爆弾が同居=芝山幹郎
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第93回アカデミー賞の発表が間近だ。今年の本命は「ノマドランド」だが、異色の穴馬は「シカゴ7裁判」だろう。脚本賞と助演男優…
2021年4月23日
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舞台 仮名手本忠臣蔵 浄瑠璃 道行旅路の花聟 六段目 与市兵衛内 勘平腹切の場=小玉祥子
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恋と忠義と行き違いの悲劇 音羽屋代々の洗練で愉(たの)しむ 大名浅野内匠頭の吉良上野介への江戸城内での刃傷事件。これに端を発…
2021年4月23日
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映画 海辺の彼女たち 外国人技能実習生の過酷な現実 淡々としたリアリズムで描く=勝田友巳
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倉庫のような建物の中から出てきた3人の女が、おびえながら夜の闇に紛れて行く。フェリーで夜を明かし、降り立った港で迎えの車と…
2021年4月16日
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美術 生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて=石川健次
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変わってゆく画風を一目瞭然に “普遍”の視覚化への挑戦 1918年、スペイン風邪に罹患(りかん)したピート・モンドリアン(1…
2021年4月16日
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舞台 劇団東演「血を売る男」 激動の中国現代史背景 普遍性奏でる家族の話=濱田元子
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家族とは? 血のつながりとは? 激動の中国現代史の中で、「血」を巡って葛藤し、必死の思いで生き抜いていく家族の物語である。…
2021年4月9日
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映画 BLUE/ブルー ボクシングに精通した監督が描く 三者三様の人間ドラマ=寺脇研
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ボクシングは、スポーツを扱う映画の中で最も有力なジャンルである。肉体の力のみで闘う個人競技だからヒーローが引き立つし、派手…
2021年4月9日
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映画 ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに=野島孝一
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ついに発効した核兵器禁止条約 被爆者の闘いのドキュメンタリー 2017年のノーベル平和賞授賞式で、車椅子で式典に臨み、感謝の…
2021年4月2日
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クラシック 北川千紗 ヴァイオリン・リサイタル=梅津時比古
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フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ シリーズ59玄人が「うまい」とうなる無比なる音程の正確さ 演奏に関しての「うま…
2021年4月2日
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舞台 四月大歌舞伎 絵本太功記 尼ケ崎閑居の場=小玉祥子
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母と息子の死に武将が大泣き 見せ場の多い人気演目を堪能 明智光秀が織田信長を討った「本能寺の変」を題材にした「絵本太功記(た…
2021年3月26日
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映画 ブックセラーズ 本の世界の歓びは滅びない ふわりとしたペースが快い=芝山幹郎
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身動きも取れぬほどの本に埋もれた暮らし。身のまわりの持ち物を最低限に削って気ままに漂流する暮らし。 思えば私は、若いころか…
2021年3月26日
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映画 まともじゃないのは君も一緒 耳年増&数学バカでドタバタ 恋愛知らずの脱線ラブコメ=勝田友巳
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ちょっと前の、日本のコメディー映画がさっぱり低調だった時期がウソのように、このところイキのいい作品が次々と出てきて大いに笑…
2021年3月19日
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美術 テート美術館所蔵 コンスタブル展 “自然に忠実に”をモットーに火花散らした“ライバル物語”=石川健次
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今にも雨が降ってきそうだ。黒々とした雲は量感にあふれ、たっぷり水気を貯め込んでいるように見える。図版に挙げた作品だ。それほ…
2021年3月19日
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映画 狼をさがして 加害を憎むも、自らも加害者に 日本現代史の闇に韓国作家が挑む=寺脇研
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東アジア反日武装戦線。なんとも物騒で古めかしい名称だ。若い方々は、韓国や中国の過激組織と思ってしまうのではないか。だが、こ…
2021年3月12日
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舞台 子午線の祀り 「平家物語」を題材に天の視点から人間描く=濱田元子
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「見るべき程のことは見つ。今は自害せん」 平家の栄枯盛衰を描く鎌倉時代の軍記物「平家物語」。源平の雌雄を決した壇ノ浦の合戦に…
2021年3月12日
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映画 騙し絵の牙 手の込んだ“どんでん返し”も 出版社舞台の知的エンタメ=野島孝一
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本来なら2020年夏に公開される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の割を食い、公開が延びてしまった。『罪の声』に続…
2021年3月5日
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クラシック 地域住民のためのコンサート(三井住友海上文化財団ときめくひととき公演)=梅津時比古
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地域と若手演奏家にチャンスを 音楽文化に寄与する継続的事業 新型コロナウイルス禍で海外との音楽的な交流が少なくなった。演奏家…
2021年3月5日
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舞台 三月大歌舞伎 雪暮夜入谷畦道 直侍 名コンビ演じる恋模様 江戸世話物の真髄を味わう=小玉祥子
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東京・歌舞伎座の「三月大歌舞伎」第二部で「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち) 直侍(なおざむらい)」が上演され…
2021年2月26日
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映画 水を抱く女 水の精が遭遇した命がけの恋 卓越した技で見せる霊異記だ=芝山幹郎
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ウンディーネ(仏語ではオンディーヌ)は水の精だ。ウンディーネには魂が欠けている。魂を得るためには人間の男と結ばれる必要があ…
2021年2月26日
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美術 没後70年 吉田博展 グローバルな視点を抱き続け 保存とも懐古とも異なる挑戦=石川健次
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故ダイアナ元英国皇太子妃が、同じ作品をロンドンのケンジントン宮殿にあった執務室の壁にかけていたことでも知られる版画である。…
2021年2月19日
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映画 すばらしき世界 良心だけでは生きられない シャバを生きるビターな人情劇=勝田友巳
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西川美和監督の映画には、ウソがつきものだった。デビュー作「蛇イチゴ」で平穏そうな家族の秘密が明らかになって崩壊し、「ディア…
2021年2月19日
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映画 痛くない死に方 医師もまた一人の人間 ベテラン俳優が支える成長物語=寺脇研
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コロナの影におびえさせられる毎日だと、つい、死が頭をよぎる。羽田雄一郎参議院議員の訃報は、少し前にお会いした後だっただけに…
2021年2月12日
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舞台 文学座「昭和虞美人草」 夏目漱石の小説を翻案 ロックとつづる青春群像=濱田元子
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夏目漱石が明治の若者たちの人間模様を描いた小説「虞美人草」。1907(明治40)年、東大で教鞭(きょうべん)をとるのをやめ…
2021年2月12日
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映画 あのこは貴族 境遇の異なる2人が出会う 女性による女性のための作品=野島孝一
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新型コロナウイルス禍の中で貧富の格差が広がり、女性の雇用がしわ寄せを受けている。そんな昨今、境遇がまったく異なる2人の女性…
2021年2月5日
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クラシック 東京二期会オペラ劇場 タンホイザー=梅津時比古
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オペラの真骨頂「読み直し」 新制作公演のワーグナーを堪能 オペラで従来と変わらない演出をしていたら、ドイツではまず新聞、雑誌…
2021年2月5日
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映画 聖なる犯罪者 気むずかしいが引力の強い映画 若者の仮装と呻きが眼を奪う=芝山幹郎
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20歳前後の若者には、とんでもない偶然が舞い降りることがある。たんなる僥倖(ぎょうこう)なのか、ある種の憑(つ)き物なのか…
2021年1月29日
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舞台 本朝廿四孝 十種香 大胆な行動力で魅せる八重垣姫 対称構造の舞台で堪能=小玉祥子
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歌舞伎に登場するお姫様役の中で、最も難役とされるのが、「本朝廿四孝(十種香)」の八重垣姫、「鎌倉三代記」の時姫、「祇園祭礼…
2021年1月29日
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美術 トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション=石川健次
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西洋美術作品の豊かなリソース ポストコロナを彩る示唆にも この小稿を書こうとパソコンをオンにした時、届いていたメールに「また…
2021年1月22日
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映画 春江水暖 しゅんこうすいだん 「映像の山水画」に浮かべる 激変する現代中国の姿と人の心=勝田友巳
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1988年生まれの新人監督グー・シャオガン、驚きのデビュー作。現代中国の大家族の営みを描いたこの映画、出演者はほとんどが監…
2021年1月22日
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映画 KCIA 南山(ナムサン)の部長たち 政治に切り込み、娯楽目線も軍事独裁政権の悲劇描く意欲作=寺脇研
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せっかくの秀作なのに、この日本公開題名はなんとかならないのだろうか。まずKCIAだ。正式には「大韓民国中央情報部」で、K(…
2021年1月15日
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舞台 舞台「Oslo(オスロ)」 中東和平交渉描く話題作 米政権交代期に本邦初演=濱田元子
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バイデン米大統領の誕生で、中東政策の行方にも注目が集まる。その焦点の一つが、聖地エルサレムの帰属などイスラエル寄りの姿勢が…
2021年1月15日
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クラシック 受難楽の夕べ2021 ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京=梅津時比古
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コロナ禍の時代に欲される めったに聴けない受難曲 12、13世紀以降、ヨーロッパでは無数の受難曲が作られた。日本とヨーロッパ…
2021年1月8日
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映画 ヤクザと家族 The Family ギャングなのか任侠なのか 行き場をなくす疑似家族=野島孝一
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「新聞記者」で高く評価された藤井道人監督の最新作。「宇宙でいちばんあかるい屋根」というファンタジーを挟んで、再び社会派アクシ…
2021年1月8日
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舞台 初春大歌舞伎 仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場=小玉祥子
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柄の大きさと洒脱な色気 あたり役の中村吉右衛門を堪能 播州赤穂藩元家老の大石内蔵助が浪士を率いて、切腹となった主君、浅野内匠…
2021年1月2日
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映画 Mank/マンク 粘り強い描写で炙(あぶ)り出されるハリウッド黄金時代の秘話=芝山幹郎
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カリフォルニア州サンシメオンにあるハースト城には、2度訪れた。最初は空疎な観光地と思ったが、次に非公開の深奥部を見せてもら…
2021年1月2日
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映画 この世界に残されて 強制収容所で生き残った男と女 淡い官能で描く再生への通過点=勝田友巳
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ホロコーストの生き残りを描いたハンガリー映画だが、ナチスも収容所も、映像はおろか言葉としても出てこない。深い絶望の中にいた…
2020年12月18日
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美術 琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術=石川健次
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時空を隔てた等質と異質 関わり深い東西名作を同時体験 印象派が浮世絵から影響を受けたことは広く知られている。19世紀末、ヨー…
2020年12月18日
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映画 無頼 裏社会から見た歴史大河ドラマ 8年ぶり新作に真骨頂を見る=寺脇研
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「井筒カントク」のキャラクターでコメンテーターやタレントとして活躍する姿を目にする機会が多いだろうが、それはあくまで一面でし…
2020年12月11日
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舞台 ザ・空気ver.3 そして彼は去った… 現実の政治状況リンクさせ そんたくするメディア描く=濱田元子
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学校現場での国家斉唱を巡るドタバタをコミカルに描いた「歌わせたい男たち」、大逆事件を背景に文豪の仕事と家庭での葛藤を人間味…
2020年12月11日