海外出版事情
掲載記事 122件
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「皇帝史観から民衆史観へ」との論法からしのばれる中国知識人の勇気 菱田雅晴
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歴史は、過去を紡ぐとともに現在をもそこに映し出す。特に、中国にあっては、1965年11月10日、姚文元(ようぶんげん)が上…
2023年9月22日
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映画「オッペンハイマー」 ノーラン監督が参考にした本もベストセラーに 冷泉彰彦
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この夏、アメリカではクリストファー・ノーラン監督の映画「オッペンハイマー」が大きな話題となった。原爆開発の「マンハッタン計…
2023年9月1日
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事実上の共産党歌「国際歌=中国語版インターナショナル」の歩み 菱田雅晴
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かつてのメーデー当日は、東京・代々木公園を埋め尽くす組合旗、赤旗の下、「インターナショナル」の大合唱が響き渡っていた。これ…
2023年8月18日
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少年向けだったドラゴン物語がアメリカの10代少女に“刺さった” 冷泉彰彦
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アメリカの若年人口は、1歳ごとに年300万人以上の分厚い層を擁し、市場としても大きい。中でもローティーンと呼ばれる10代前…
2023年7月28日
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中国の大学生の国家アイデンティティーをめぐる興味深い調査 菱田雅晴
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自国の将来を「良くなる」と明日に希望を寄せる若者が中国、インドでそれぞれ95.7%、83.1%と大多数を占める。これが米国…
2023年7月7日
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歴史小説家デイヴィッド・グランがヒット連発 冷泉彰彦
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歴史小説作家、デイヴィッド・グランといえば、2017年に発刊された『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生…
2023年6月16日
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近代中国に貢献した李鴻章の“洋顧問=お雇い外国人”を詳述 菱田雅晴
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モース、シーボルト、ヘボン、クラーク、ハーン……。これらの外国人名に共通するのが「お雇い外国人」というラベル。明治初期に日…
2023年6月2日
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米国で長寿医学本がベストセラーに ハウツーとは違う理論武装 冷泉彰彦
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日本の後を追いかけるようにアメリカでも平均寿命は延びている。銃や麻薬による若年死という問題はあるが、これを除けば長寿社会に…
2023年5月12日
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現代中国の富・権力・腐敗を暴いた『紅色賭盤』漢訳、満を持して出版 菱田雅晴
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中国出身の実業家・沈棟(デズモンド・シャム)の英語による著書『レッド・ルーレット』(2021年)が、今年3月に『紅色賭盤』…
2023年4月21日
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大統領選を意識か? 共和党のホープ、デサンティス知事の自伝が話題 冷泉彰彦
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2024年の米大統領選へ向けて、共和党ではトランプ前大統領が早期に立候補を表明。これにヘイリー元国連大使が続いている。だが…
2023年3月31日
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党の解体後、中国は、台湾はどうなるのかを検証した一冊 菱田雅晴
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1972年の日中国交正常化直後、日本では「竹のカーテン」(アジアにおける冷戦時代の東西陣営の緊張)の向こうの中国をもっと知…
2023年3月17日
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脱北者パク氏の第二作はアメリカのリベラル批判 冷泉彰彦
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パク・ヨンミ氏といえば、日本でも出版されている脱北者としての壮絶な体験記『生きるための選択 少女は13歳のとき、脱北するこ…
2023年3月3日
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現代中国社会のキーワード、“内巻”“躺平”の次は“倦怠” 菱田雅晴
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ここ数年来、“躺平”が現代中国社会を切り取るキーワードとして注目されてきた。“躺平”とは「寝転ぶ」という意味で、“内巻”つ…
2023年2月17日
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英王子の暴露本に好意的な米国 冷泉彰彦
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英国のチャールズ国王の次男で、ウィリアム皇太子の弟であり、王位継承順位5位であるヘンリー(ハリー)王子の著作『スペア』が発…
2023年2月3日
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若者たちのACG消費とは? 昨今の中国大学生事情 菱田雅晴
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2022年12月7日にようやく行われた中国の「ゼロコロナ」政策の緩和という転換姿勢を事前に示唆していたのが、習近平国家主席…
2023年1月20日
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ミシェル・オバマ氏の新作が再びベストセラーに 冷泉彰彦
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ミシェル・オバマ氏はアフリカ系初のファーストレディーとして、バラク・オバマ大統領を支え、その夫が退任した後も国民的人気を維…
2023年1月6日
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中国で“剰男”“剰女”が生み出される事情を解読 菱田雅晴
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日本をはじめ先進国で未婚が広がっているが、中国も例外ではない。日本では未婚男性をかつて朝鮮語由来の「チョンガー」と呼んでい…
2022年12月16日
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2024年の米大統領選に向け、ペンス氏がトランプ派に決別を告げた自伝 冷泉彰彦
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アメリカでは、政治家が自伝や回顧録を出版することで、そこに政治的意図を込めるということが多い。バラク・オバマ氏の場合やヒラ…
2022年12月2日
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中国の伝統的な老舗企業をいかに現代に承継するか 菱田雅晴
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1972年の日中国交正常化から中国が改革開放を政策として謳(うた)い上げるまでの70年代、日中間には数多くの技術交流ミッシ…
2022年11月18日
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中間選直前「元トランプ番記者」が批判本発表 冷泉彰彦
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2015年に米大統領予備選で「旋風」を巻き起こして以来、ドナルド・トランプ氏をめぐる伝記本や暴露本は数多く出版されてきた。…
2022年11月4日
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中国の学術用語とネット語を日本語由来の言葉が席巻 菱田雅晴
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日本なかりせば、中国には「科学」も「哲学」もない。というのも、古代中国から伝来した漢字を用いて、 明治維新後、西洋事物導入…
2022年10月21日
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アマゾンで首位独走、傑作の呼び声高いキングの新作「おとぎ話」 冷泉彰彦
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スティーブン・キングといえば、1973年に出版されたホラー小説『キャリー』がヒットして以来、ほぼ半世紀にわたって米国を代表…
2022年10月7日
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在日中国語新聞の150年史を解説・分析=菱田雅晴
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石川啄木とは言わずとも、異郷にあって母国語の響きはいとおしい。特に異国の不慣れな慣習、風俗、文化に戸惑う中、懐かしい母国語…
2022年9月23日
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アメリカ南部出身の黒人共和党議員の自伝が予想外の売れ行き=冷泉彰彦
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敵を作らない腹芸の持ち主 24年大統領選への待望論も 意外な政治家の自伝が売れている。サウスカロライナ州選出のティム・スコッ…
2022年9月2日
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中国初の“ゴミ白書”が提唱する「両網融合」とは?=菱田雅晴
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世界で最もゴミを出す中国の実態=菱田雅晴 訪日外国人観光客が日本に来て驚くのが日本のゴミ回収、とりわけ各家庭から出される生活…
2022年8月19日
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キッシンジャー氏が戦後世界のリーダー6人のミニ評伝を刊行=冷泉彰彦
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アメリカ 議論呼ぶキッシンジャー氏の著書 ヘンリー・キッシンジャー氏は、米ハーバード大学の国際政治学者からニクソン政権の特別…
2022年7月29日
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華人社会のキング牧師、王清福の伝記を読む=菱田雅晴
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中国 ファースト“華裔美国人”(中国系米国人) アジア系に対するヘイトクライムが急増している米国。トランプ元大統領の「中国…
2022年7月15日
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複雑系PTSD(C─PTSD)についての貴重な記録=冷泉彰彦
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アメリカ 「移民の子」が綴る心的外傷の治癒録 ステファニー・フー氏は、社会派ドキュメントの「This American Li…
2022年7月1日
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1970年代以降の中国の青壮年の興味深い日常=辻康吾
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中国 徐則臣の短編集が描く多彩な人物 人は時折周囲を見渡して「時代が変わった」と感じることがある。自分の日常が大きく変わった…
2022年6月17日
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演技の三冠王の黒人女優の自伝がベストセラー=冷泉彰彦
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アメリカ 黒人女優の自伝は自己啓発の記録 ビオラ・デイビスといえば、現代のアメリカを代表する女優といっていいだろう。全米映画…
2022年6月3日
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文革から半世紀、劉少奇の遺児が回顧録=辻康吾
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中国 忘れがたき文化大革命─劉少奇回顧録─=辻康吾 中国を揺るがし、世界を驚かせたプロレタリア文化大革命が終わってほぼ50年…
2022年5月20日
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プーチンを告発・対決する著名投資家の回顧録が話題=冷泉彰彦
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アメリカ 「プーチンとの戦い」赤裸々に=冷泉彰彦 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、長年プーチン政権との「戦い」を続けて…
2022年4月29日
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中国 古物(こぶつ)に霊(たましい)あり。故宮物語=辻康吾
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中国 古物(こぶつ)に霊(たましい)あり 故宮物語 ウクライナ紛争を頂点に国際情勢は緊張を極め、かつて大陸の中国人が押しかけ…
2022年4月15日
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トランプ政権時代の司法長官が記した回顧録に賛否両論=冷泉彰彦
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アメリカ トランプ氏支えた司法長官の回顧録に賛否両論 トランプ政権後期に司法長官を務めたウィリアム・バー氏の回顧録『難題に次…
2022年4月1日
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中国明代の文人・文徴明と研究者の周道振。5世紀を隔てた二人三脚=辻 康吾
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中国 在野の文徴明研究者の遺著=辻康吾 中国・明代の書画で四大家に数えられる文徴明は、日本でも愛好家が多く、東京国立博物館で…
2022年3月18日
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販売方法+「読まれ方」の仕掛けも巧みな米の書籍マーケティング=冷泉彰彦
海外出版事情
アメリカ 最新マーケティングとベストセラー小説 紙版書籍が主流の時代、アメリカの書籍マーケティングの場はリアルな場であった。…
2022年3月4日
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海外では魯迅と並び称される知名度、張愛玲=辻 康吾
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中国 中国女性作家の運命 香港映画「傾城の恋」(1984年)の原作者・張愛玲(英語名アイリーン・チャン)は、中華圏はもとより…
2022年2月18日
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「バイデン政策はファシズム」。米保守派論客の最新刊が好調=冷泉彰彦
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アメリカ 「元祖」保守派の思考回路=冷泉彰彦 グレン・ベックといえば、全米でも代表的な保守論客である。現在は「ブレイズ(炎の…
2022年2月4日
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口を封じられた中国の詩人たち。現代も例外ではない=辻 康吾
海外出版事情
中国 作品のない詩人たち=辻康吾 中国西域の風物を詠(うた)った唐詩といえば、「葡萄の美酒夜光の杯」で始まる王翰(おうかん)…
2022年1月21日
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オバマ元大統領激賞。傷を負った少年たちの旅物語=冷泉彰彦
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アメリカ オバマ激賞 傷を負った少年たちの旅物語 2021年の出版界を回顧し、さまざまな「トップ10」リストが公表されている…
2022年1月7日
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コロナ下の閉塞空間から生まれた中国人歴史学者の書評集=辻康吾
海外出版事情
中国 コロナ下の東京で生まれた書評集=辻康吾 新型コロナウイルスのため全人類の生活リズムが狂ってしまったと言っても言い過ぎで…
2021年12月17日
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アメリカ 人気俳優の自伝、人生哲学の深みの理由とは?=冷泉彰彦
海外出版事情
ウィル・スミスといえば、押しも押されもせぬハリウッドのトップ俳優である。ラッパーやDJとしてデビュー後は、テレビの喜劇俳優…
2021年12月3日
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中国 孔子学院、融和目指す「本土化」とは?
海外出版事情
1990年あたりまでだっただろうか、日本で使われていた中国語教科書には、中国の政治が色濃く反映されていた。例えば昔からの敬…
2021年11月19日
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アメリカ ヒラリー氏の娯楽小説がヒット=冷泉彰彦
海外出版事情
ヒラリー・クリントン氏といえば、現代のアメリカの政治家の中で、常にその著作が話題になってきた人物である。2000年代以降、…
2021年11月5日
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中国法制は、果たして本当に近代化されたのか?=辻 康吾
海外出版事情
中国 中国法制の近代化研究=辻康吾 清末民初(清朝末期から中華民国初期)の法務大臣として、欧州の法体系にならって近代法の制定…
2021年10月22日
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アメリカ 2人の大統領を描いた内幕暴露本が話題に=冷泉彰彦
海外出版事情
ボブ・ウッドワードといえば、1973年から74年にかけて、ウォーターゲート事件の暴露を行った伝説のジャーナリストだが、その…
2021年10月8日
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日記に約60軒も! 食いしん坊・魯迅の姿を活写
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食いしん坊の魯迅=辻康吾 著作集などで見かける魯迅の写真からは謹厳実直な人柄がうかがわれる。とはいえ魯迅も「食をもって天とな…
2021年9月24日
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日本の先達への敬意も。いまアメリカでブラジリアン柔術がブーム
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アメリカ ブラジリアン柔術本格ブーム到来=冷泉彰彦 アメリカにおける格闘技といえば、プロボクシングが花形であるが、その一方で…
2021年9月3日
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階層間の格差が拡がる中国。封建社会と比較した書を読む
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中国 「階層分化」のゆくえ=辻康吾 中国社会の階層分化が論じられて久しい。経済規模の拡大につれて階層間の所得格差も広がったう…
2021年8月20日
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「言論の自由」タテにヘイトスピーチしたがる米国若手保守派
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アメリカ 新世代保守によるポリコレ批判本=冷泉彰彦 ドナルド・トランプの下野に伴って、アメリカの保守言論には一時の勢いは見ら…
2021年7月30日