書評 読書日記
掲載記事 205件
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ウイグル族弾圧の実態 奇跡の生還者が吐露=楊逸
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×月×日 公園の木は淡いピンクにもえてきてウキウキ。それを眺めながら散歩するのがほんとに楽しい。『命がけの証言』(清水ともみ…
2021年4月2日
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差別、搾取される女性が「はしたなく」声を上げた=ブレイディみかこ
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×月×日「お金の話をするなんて、はしたない」 こんな風潮のある国から英国に渡ったとき、「この人たちは恥ずかしげもなく人前でガ…
2021年3月26日
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細部の美に、愉快な能力 図鑑で楽しむ植物と動物=美村里江
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×月×日 現在、3度目の大河ドラマに徳川慶喜の養祖母・徳信院役で出演中。時代劇は全て好きだが、やはり大河は作り込みが凄(すご…
2021年3月12日
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「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子
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×月×日 コロナ禍になってカミュの『ペスト』が売れているらしい。分かるなぁ。感染症に対峙(たいじ)した物語としてもそうだが、…
2021年3月8日
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最後まで出会わない二人 その時までを克明に描く=孫崎享
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×月×日 映画「男と女」を見て、その優雅さに、これはハリウッドと違うと感激してからもう50年以上も経過してしまった。そして今…
2021年2月26日
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差別の実際解き明かす 詳細データと精緻な分析=荻上チキ
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×月×日 優れた本を立て続けに読めた。一冊は『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』(デラルド・ウィン・スー著、明石…
2021年2月12日
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読書日記 イタリアに残る独自文化を「おいしく料理」してみせる=楊逸
書評
×月×日 落ち着きつつあった新型コロナウイルス禍は、年末の忘年会シーズンになると一転、「想定外の感染拡大」へと発展し、「緊急…
2021年2月5日
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コロナ禍の次は貧困対策 待ったなしの現実ルポ=ブレイディみかこ
書評 読書日記
コロナ感染拡大による「医療危機」の問題が日夜メディアで報じられている。が、人の命がかかっている点ではまったく同じはずの緊急…
2021年1月29日
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若者の文字に絵に写真…… コロナ下の生態が満載=美村里江
書評 読書日記
×月×日 コロナ禍で古典文学が人気だったそうだが、『デカメロン』もその一冊だろう。ペストから逃れフィレンツェの郊外に引きこも…
2021年1月15日
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絶対に行くことはないけれど 未知の南極事情に興味津々=高部知子
書評 読書日記
×月×日 私は子どもの頃から日本国内の旅が好きで、同じ金額を使うなら海外よりも国内温泉旅行を豪華にしたいタイプ。しかし未知の…
2021年1月8日
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遺体から生まれた「遺体」 イラク舞台の快作を読む=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私がイラクにいたのはイラン・イラク戦争の時で、30年も前。だが湾岸戦争やイラク戦争が続き、この地には特別の関心を持…
2021年1月2日
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ブルデューがあぶりだす「趣味」と社会構造の関係=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 テレビ番組「NHK 100分de名著」の最新回が、ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』で、担当が社会学者の岸…
2020年12月11日
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コロナ禍の鬱屈した日々 市井の人々の物語にふける=楊逸
書評 読書日記
×月×日 読書の秋。海のかなたで繰り広げられた米大統領選のバトルが気にかかり、いちいちニュースをチェックせずにはいられない。…
2020年12月4日
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新たな希望に向けて、リベラルの現状痛烈批判=ブレイディみかこ
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×月×日「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない」。大統領選挙で米国が大揺れしていたときに開いた本の最初のタイトル…
2020年11月27日
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軽やかな歌集に米寿詩集 次々と詩歌集を読む日々=美村里江
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×月×日 今春書き下ろしの歌集を出した流れから、短歌の連載依頼を頂戴した。短歌制作は個人的楽しみとして続けていたが、もう一度…
2020年11月13日
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老化は「直せる病気」? 果たして、それは幸福か=高部知子
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×月×日 確かに最近の人は「若くなった」気がする。還暦といえば赤いチャンチャンコと帽子を被ったお年寄りというイメージがあった…
2020年11月6日
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生き残るためにナンバーワンになる=孫崎享
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×月×日 約10年前、私は戦略に関する本を書いた。その時、孫子、クラウゼヴィッツ、マクナマラ等戦略家と言われる人々の考えを学…
2020年10月30日
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意図的な解釈や蔑視を丹念に解体する試み=荻上チキ
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トランプとバイデンの「史上最低の大統領選挙」を尻目に、レベッカ・ソルニットによるエッセー集『それを、真(まこと)の名で呼ぶ…
2020年10月16日
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愛しきものを殺せ 惚れた言葉を削除せよ=楊逸
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×月×日 猛暑とエアコンの冷気。そのはざまでもがいていると頭が鈍くなる。『名著から学ぶ創作入門』(ロイ・ピーター・クラーク著…
2020年10月9日
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歌、イラスト、エッセー 猫歌人13年間の集大成=美村里江
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×月×日 近所で三毛猫を見かける(遺伝子上の確率ではほぼメスである)。しゃがんでチッチと舌を鳴らしてみたが、二、三歩こちらに…
2020年9月18日
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動物学者が勧める「肉食」のアタマでは分かる強烈論理=高部知子
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×月×日 真っ赤な表紙、帯には「肉食は我々の義務である」と書かれている。怖いもの見たさのような、そこまで主張する根拠を知りた…
2020年9月11日
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極限状況を生きた人々とその家族の物語を読む=孫崎享
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×月×日 私の一日は朝、ブログ、ツイートの発信で始まる。この中に、米国漫画のリツイートがある。米国の新聞は通常政治漫画を記載…
2020年9月4日
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今も爪痕残す優生思想 拉致された子が自ら執筆=荻上チキ
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×月×日 2020年7月。著名アーティストがツイッターに、「お化け遺伝子を持つ人たちの配偶者はもう国家プロジェクトとして国が…
2020年8月21日
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乗せるから聞かせて 本音引き出す絶品ルポ=楊逸
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×月×日 雨の多い季節。鬱々とする在宅勤務の日々に新刊の自著が届いた。『わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない』(…
2020年8月14日
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知識は天然資源である 担う者に相応の支払いを=ブレイディみかこ
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×月×日 借りたものは返せない。 栗原康著『奨学金なんかこわくない! 「学生に賃金を」完全版』(新評論、2000円)の帯に書…
2020年7月31日
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好きなものを大切にする 大人も読んでほしい絵本=美村里江
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×月×日 人生で間違いなく得していると思うのは、「虫が好き」なことだ。この地球上にはどこでもほぼ100%虫がいる。彼らの絶滅…
2020年7月17日
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自宅では体験できない 中国茶の味わいと時間=高部知子
書評 読書日記
×月×日 お茶が好きだぁ。でもペットボトルで飲むものは、私の中でお茶ではない。急須で入れるものがお茶。こだわりがあるほどでも…
2020年7月10日
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暴君ネロに仕えた人物が「怒り」の処し方を語る=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私は国際政治を学ぶのに最良の書は、ジョセフ・S・ナイ・ジュニアとデイヴィッド・A・ウェルチの『国際紛争』だと思って…
2020年7月3日
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心地よい場所を改築する社会心理学からの提案=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日『ステレオタイプの科学』(クロード・スティール著、藤原朝子訳、英治出版、2200円)は、僕にとって上半期ベストの一冊…
2020年6月19日
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「神経」のような繊細さが描く「草の刃」の短編集=楊逸
書評 読書日記
×月×日 春らんまん。花草がいくらきれいに咲き誇っていても、例年のように楽しめないのはつらい。コロナ疲れで、何をする気も起き…
2020年6月12日
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常識破りの問いを立て民主主義を考えつくす=ブレイディみかこ
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×月×日 外出制限が続く中、映画も見飽きたので、Youtubeにあがっているデヴィッド・グレーバーの講演動画を片っ端から見て…
2020年6月5日
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過酷な環境でも生き抜くシャボテンに人生重ねる=高部知子
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×月×日「浪漫」という言葉がある。ロマンじゃなくて「浪漫」。この二つの言葉にどういう差異があるのかと専門的に問われたら全くわ…
2020年5月15日
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倒錯世界でまっとうに生きる 浅田次郎最新作を堪能=孫崎享
読書日記
×月×日 子供の頃、紙芝居がくると、母に「行かなくても」と言われても飛んで見に行った。小学校の時、母に「読まなくても」と言わ…
2020年5月1日
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生産的議論に向け 情報を強力アップデート=荻上チキ
読書日記
×月×日『移民と日本社会』(永吉希久子著、中公新書、900円)は、移民についての議論を整理するために有用な研究成果が網羅され…
2020年4月16日
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弟に笑顔を取り戻したい 異様な家族と闘う少女=楊逸
書評 読書日記
×月×日 新形コロナウイルスの感染拡大を恐れて、春休みのスペイン旅行をキャンセルし、家に籠もる日々。おかげでゆっくり読書を楽…
2020年4月10日
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「あり得ないこと」の渦中 失い、再獲得する言葉=ブレイディみかこ
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×月×日 新型コロナウイルスで英国でも一斉休校になり、外出禁止令が出て、食料のパニック買いが起きている。パブもレストランも映…
2020年4月3日
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派手だが中身はなし…… そんな男が一気に飛躍!=美村里江
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×月×日 きっちりしているようで安っぽい。題名とカバーデザインがマッチしていた『御社のチャラ男』(絲山秋子著、講談社、180…
2020年3月20日
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信じる/信じないを超え歴史を形成した独特世界=高部知子
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×月×日 ここ数年、仕事や研究の都合で、自宅にいられるのは良くて月のうち2週間、あとはすべて地方に滞在する生活が続いている。…
2020年3月13日
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ポピュリズム蔓延の現代 人権抑圧に向け警世の書=孫崎享
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×月×日 日本の憲法学者では樋口陽一、長谷部恭男、小林節、愛敬(あいきょう)浩二、青井未帆氏らは頂点にいる人々である。この方…
2020年3月6日
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犯罪抑止、状況改善へ 論拠豊富に医療的接近=荻上チキ
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×月×日 日本の刑法は〈懲罰主義〉に立っている。犯した罪に対して私刑を行うのではなく、国家権力が応報的な懲罰を代行するという…
2020年2月21日
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忙しさにかまけていても「よそ者」に映る危機=楊逸
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×月×日 新年はカルロス・ゴーン被告の逃亡劇で明けた。なんだかハリウッド映画を見るような心地に浸っていると、今度は強い感染力…
2020年2月14日
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信頼のセンスが書いた自分の仕事にあてる恋文=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 本を売るのは大変なことだ。でも、売るためなら何をしたっていいわけではない。少なくとも、わたしはそう考えている。でも…
2020年2月7日
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妄想がさらにパワーアップ 岸本佐知子ワールドに浸る=美村里江
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×月×日 真面目な風貌で淡々としているのに、とんでもない妄想力を持つ。岸本佐知子さんはそんなエッセイストだ。『ねにもつタイプ…
2020年1月24日
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掲載総数、6762回 「折々のうた」の偉業=孫崎享
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×月×日 文学であれ、絵画であれ、創作活動は作品が出たからといって、即、評価されるものではない。今日その作品が最も高価に取引…
2020年1月17日
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思わず落涙…… 決死につなぐ命のバトン=高部知子
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×月×日 いや~。なんだか久しぶりに本を読んで泣いてしまった。『生き物の死にざま』(稲垣栄洋著、草思社、1400円)。この本…
2020年1月10日
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セクシュアリティー関連本3冊 2019年の収穫=荻上チキ
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×月×日 エリザベス・ブレイク『最小の結婚』(久保田裕之監訳、白澤舎、4200円)、濱野ちひろ『聖なるズー』(集英社、160…
2019年12月20日
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高度成長期の日本 底辺で生きる孤独を読む=楊逸
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×月×日 待ちに待った高い秋の空。喜ぶ間もなく「明日は雨模様……」とテレビの天気予報をまた耳にする。本州での台風被害がまだ収…
2019年12月13日
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主張以外で消費される女性活動家たち=ブレイディみかこ
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×月×日 今年、(悪い意味で)度肝を抜かれた報道記事の見出し用語は「環境少女」だった。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥ…
2019年12月6日
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時代劇出演と並行して江戸の言葉や職種を学ぶ=美村里江
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×月×日 時代劇の撮影で京都に向かう。新幹線移動中に読んだ『時代劇でござる マゲモン作家ニヨル江戸ノ手引書』(柏田道夫著、春…
2019年11月22日
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文学作品を読まずしてその国の理解はできない=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私の専門分野は国際政治・外交である。だから、私が「時々小説を読む」と言うと「なぜ?」と聞かれる。 でも、「専門を国…
2019年11月15日