書評 読書日記
掲載記事 221件
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自閉症者は極上の受け手 読む行為の再考促す一冊=ブレイディみかこ
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×月×日 先日、あるイベントで、参加者からの「社会を変えるために何が必要か」みたいな真面目な質問に対して、「元気」と答えてし…
2021年10月8日
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「中年」という可能性に満ちた時間を大切にしたくなる1冊
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「中年」という可能性に満ちた時間を大切にしたくなる1冊×月×日 6月の誕生日に歳を聞かれ、数人へ「38」と答えてしまったが、…
2021年9月24日
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注意! 水災害の発生には長い歴史の背景がある
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水害がなぜ増えるのか 「川」の視点で考える=高部知子×月×日 今年は残暑が厳しい。仕事で訪れる京都の夏は本当に暑くて、日傘を…
2021年9月10日
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元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長が「日本の愛国」を分析=孫崎享
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米国南部と日本に「敗戦国」の共通点を読む=孫崎享×月×日 マーティン・ファクラー氏は元『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長で…
2021年9月4日
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オリンピックはもう要らない。元選手が世界中の反対運動を分析=荻上チキ
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世界各地の調査を通じ大会の構造的問題を分析 コロナがなかったとしても、オリンピックは多くの構造的な問題を抱えている。『オリン…
2021年8月20日
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路上も電車も学校も。すべて男性優位社会、ニッポン=ブレイディみかこ
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いい加減、習俗打破せよ 男性優位主義社会=日本=ブレイディみかこ×月×日「ああ、習俗打破! 習俗打破! それより他には私たち…
2021年8月13日
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最も儲かるブックメーカーが序列の底辺。ユニークな英国競馬の世界=楊逸
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英国独自の競馬文化 人類学者の分析を読む=楊逸×月×日 今日も豪雨。この梅雨はとにかく豪雨が続いている。晴れ間を盗んで洗濯し…
2021年7月30日
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実は日々の生活でできる 気づかせてくれた絵本=美村里江
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×月×日 コロナ禍に陥ってから、「欲」を持つことが少しつらくなった気がする。あれがやりたい、あそこへ行きたいと一瞬高揚してて…
2021年7月9日
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あの「ネッシー」の正体がついに明らかに!=高部知子
書評 読書日記
広大無辺で千差万別 生物見つめた2冊に驚く=高部知子×月×日「ネッシー」という単語に久しぶりに触れた。懐かしい。子どもの頃、…
2021年7月2日
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子猫を拾い「ふたり旅」 ワルが善意を知る物語=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 一度、犬や猫を飼った者はその魅力に取りつかれる。私がディーン・ニコルソン著『ナラの世界へ』(K&Bパブリッシャーズ…
2021年6月25日
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天国と地獄? 竹宮惠子と萩尾望都でこれだけ違う「大泉時代」の記憶=荻上チキ(読書日記)
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読書日記 一人は躍動、一人には傷 同じ時間の二つの記憶=荻上チキ×月×日 漫画読みとして、「読者のつらさ」を共有してほしいと…
2021年6月11日
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あの漱石も日和見だった!? 危機の時代に見る日本人の生き方=楊 逸
書評 読書日記
歴史の節目となる時代 日本人はいかに生きたか=楊逸×月×日 今日もまた雨、しかも雷雨。こんな5月は初めてだ。憂鬱な気持ちは、…
2021年6月4日
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国民自ら全体主義へ? 戦時下と現代は相似形
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国民自ら全体主義へ? 戦時下と現代は相似形=ブレイディみかこ×月×日「おうちでパンケーキ」「断捨離」「国民皆マスク」と聞けば…
2021年5月28日
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厳格な教義に左右される 女性たちの日常を描く=高部知子
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×月×日 先日ベリーダンスを体験した。踊りはさすがに難しかったが、古代エジプトの曲だという音楽が心地よく、なんともエキゾチッ…
2021年5月7日
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AIは本当に心躍る芸術作品を創造できるか=孫崎享
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×月×日 私は今、将棋中継をよく見る。コンピューターが形勢判断を行い、次の手の評価をする。もはや、「AI(人工知能)が棋士の…
2021年4月23日
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当事者性の徹底追求で非当事者の特性も顕在=荻上チキ
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×月×日 臨床心理や、何らかの障害・困難にある当事者の生きづらさについて学ぶ「当事者研究」。そうした本を好んで読むのだけれど…
2021年4月9日
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ウイグル族弾圧の実態 奇跡の生還者が吐露=楊逸
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×月×日 公園の木は淡いピンクにもえてきてウキウキ。それを眺めながら散歩するのがほんとに楽しい。『命がけの証言』(清水ともみ…
2021年4月2日
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差別、搾取される女性が「はしたなく」声を上げた=ブレイディみかこ
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×月×日「お金の話をするなんて、はしたない」 こんな風潮のある国から英国に渡ったとき、「この人たちは恥ずかしげもなく人前でガ…
2021年3月26日
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細部の美に、愉快な能力 図鑑で楽しむ植物と動物=美村里江
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×月×日 現在、3度目の大河ドラマに徳川慶喜の養祖母・徳信院役で出演中。時代劇は全て好きだが、やはり大河は作り込みが凄(すご…
2021年3月12日
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「色覚異常」の著者が探る 時に痛快なノンフィクション=高部知子
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×月×日 コロナ禍になってカミュの『ペスト』が売れているらしい。分かるなぁ。感染症に対峙(たいじ)した物語としてもそうだが、…
2021年3月8日
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最後まで出会わない二人 その時までを克明に描く=孫崎享
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×月×日 映画「男と女」を見て、その優雅さに、これはハリウッドと違うと感激してからもう50年以上も経過してしまった。そして今…
2021年2月26日
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差別の実際解き明かす 詳細データと精緻な分析=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 優れた本を立て続けに読めた。一冊は『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』(デラルド・ウィン・スー著、明石…
2021年2月12日
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読書日記 イタリアに残る独自文化を「おいしく料理」してみせる=楊逸
書評
×月×日 落ち着きつつあった新型コロナウイルス禍は、年末の忘年会シーズンになると一転、「想定外の感染拡大」へと発展し、「緊急…
2021年2月5日
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コロナ禍の次は貧困対策 待ったなしの現実ルポ=ブレイディみかこ
書評 読書日記
コロナ感染拡大による「医療危機」の問題が日夜メディアで報じられている。が、人の命がかかっている点ではまったく同じはずの緊急…
2021年1月29日
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若者の文字に絵に写真…… コロナ下の生態が満載=美村里江
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×月×日 コロナ禍で古典文学が人気だったそうだが、『デカメロン』もその一冊だろう。ペストから逃れフィレンツェの郊外に引きこも…
2021年1月15日
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絶対に行くことはないけれど 未知の南極事情に興味津々=高部知子
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×月×日 私は子どもの頃から日本国内の旅が好きで、同じ金額を使うなら海外よりも国内温泉旅行を豪華にしたいタイプ。しかし未知の…
2021年1月8日
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遺体から生まれた「遺体」 イラク舞台の快作を読む=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私がイラクにいたのはイラン・イラク戦争の時で、30年も前。だが湾岸戦争やイラク戦争が続き、この地には特別の関心を持…
2021年1月2日
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ブルデューがあぶりだす「趣味」と社会構造の関係=荻上チキ
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×月×日 テレビ番組「NHK 100分de名著」の最新回が、ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』で、担当が社会学者の岸…
2020年12月11日
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コロナ禍の鬱屈した日々 市井の人々の物語にふける=楊逸
書評 読書日記
×月×日 読書の秋。海のかなたで繰り広げられた米大統領選のバトルが気にかかり、いちいちニュースをチェックせずにはいられない。…
2020年12月4日
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新たな希望に向けて、リベラルの現状痛烈批判=ブレイディみかこ
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×月×日「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない」。大統領選挙で米国が大揺れしていたときに開いた本の最初のタイトル…
2020年11月27日
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軽やかな歌集に米寿詩集 次々と詩歌集を読む日々=美村里江
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×月×日 今春書き下ろしの歌集を出した流れから、短歌の連載依頼を頂戴した。短歌制作は個人的楽しみとして続けていたが、もう一度…
2020年11月13日
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老化は「直せる病気」? 果たして、それは幸福か=高部知子
書評 読書日記
×月×日 確かに最近の人は「若くなった」気がする。還暦といえば赤いチャンチャンコと帽子を被ったお年寄りというイメージがあった…
2020年11月6日
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生き残るためにナンバーワンになる=孫崎享
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×月×日 約10年前、私は戦略に関する本を書いた。その時、孫子、クラウゼヴィッツ、マクナマラ等戦略家と言われる人々の考えを学…
2020年10月30日
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意図的な解釈や蔑視を丹念に解体する試み=荻上チキ
書評 読書日記
トランプとバイデンの「史上最低の大統領選挙」を尻目に、レベッカ・ソルニットによるエッセー集『それを、真(まこと)の名で呼ぶ…
2020年10月16日
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愛しきものを殺せ 惚れた言葉を削除せよ=楊逸
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×月×日 猛暑とエアコンの冷気。そのはざまでもがいていると頭が鈍くなる。『名著から学ぶ創作入門』(ロイ・ピーター・クラーク著…
2020年10月9日
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歌、イラスト、エッセー 猫歌人13年間の集大成=美村里江
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×月×日 近所で三毛猫を見かける(遺伝子上の確率ではほぼメスである)。しゃがんでチッチと舌を鳴らしてみたが、二、三歩こちらに…
2020年9月18日
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動物学者が勧める「肉食」のアタマでは分かる強烈論理=高部知子
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×月×日 真っ赤な表紙、帯には「肉食は我々の義務である」と書かれている。怖いもの見たさのような、そこまで主張する根拠を知りた…
2020年9月11日
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極限状況を生きた人々とその家族の物語を読む=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私の一日は朝、ブログ、ツイートの発信で始まる。この中に、米国漫画のリツイートがある。米国の新聞は通常政治漫画を記載…
2020年9月4日
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今も爪痕残す優生思想 拉致された子が自ら執筆=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 2020年7月。著名アーティストがツイッターに、「お化け遺伝子を持つ人たちの配偶者はもう国家プロジェクトとして国が…
2020年8月21日
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乗せるから聞かせて 本音引き出す絶品ルポ=楊逸
書評 読書日記
×月×日 雨の多い季節。鬱々とする在宅勤務の日々に新刊の自著が届いた。『わが敵「習近平」 中国共産党の「大罪」を許さない』(…
2020年8月14日
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知識は天然資源である 担う者に相応の支払いを=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 借りたものは返せない。 栗原康著『奨学金なんかこわくない! 「学生に賃金を」完全版』(新評論、2000円)の帯に書…
2020年7月31日
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好きなものを大切にする 大人も読んでほしい絵本=美村里江
書評 読書日記
×月×日 人生で間違いなく得していると思うのは、「虫が好き」なことだ。この地球上にはどこでもほぼ100%虫がいる。彼らの絶滅…
2020年7月17日
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自宅では体験できない 中国茶の味わいと時間=高部知子
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×月×日 お茶が好きだぁ。でもペットボトルで飲むものは、私の中でお茶ではない。急須で入れるものがお茶。こだわりがあるほどでも…
2020年7月10日
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暴君ネロに仕えた人物が「怒り」の処し方を語る=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私は国際政治を学ぶのに最良の書は、ジョセフ・S・ナイ・ジュニアとデイヴィッド・A・ウェルチの『国際紛争』だと思って…
2020年7月3日
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心地よい場所を改築する社会心理学からの提案=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日『ステレオタイプの科学』(クロード・スティール著、藤原朝子訳、英治出版、2200円)は、僕にとって上半期ベストの一冊…
2020年6月19日
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「神経」のような繊細さが描く「草の刃」の短編集=楊逸
書評 読書日記
×月×日 春らんまん。花草がいくらきれいに咲き誇っていても、例年のように楽しめないのはつらい。コロナ疲れで、何をする気も起き…
2020年6月12日
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常識破りの問いを立て民主主義を考えつくす=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 外出制限が続く中、映画も見飽きたので、Youtubeにあがっているデヴィッド・グレーバーの講演動画を片っ端から見て…
2020年6月5日
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過酷な環境でも生き抜くシャボテンに人生重ねる=高部知子
読書日記
×月×日「浪漫」という言葉がある。ロマンじゃなくて「浪漫」。この二つの言葉にどういう差異があるのかと専門的に問われたら全くわ…
2020年5月15日
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倒錯世界でまっとうに生きる 浅田次郎最新作を堪能=孫崎享
読書日記
×月×日 子供の頃、紙芝居がくると、母に「行かなくても」と言われても飛んで見に行った。小学校の時、母に「読まなくても」と言わ…
2020年5月1日
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生産的議論に向け 情報を強力アップデート=荻上チキ
読書日記
×月×日『移民と日本社会』(永吉希久子著、中公新書、900円)は、移民についての議論を整理するために有用な研究成果が網羅され…
2020年4月16日