書評 読書日記
掲載記事 221件
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弟に笑顔を取り戻したい 異様な家族と闘う少女=楊逸
書評 読書日記
×月×日 新形コロナウイルスの感染拡大を恐れて、春休みのスペイン旅行をキャンセルし、家に籠もる日々。おかげでゆっくり読書を楽…
2020年4月10日
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「あり得ないこと」の渦中 失い、再獲得する言葉=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 新型コロナウイルスで英国でも一斉休校になり、外出禁止令が出て、食料のパニック買いが起きている。パブもレストランも映…
2020年4月3日
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派手だが中身はなし…… そんな男が一気に飛躍!=美村里江
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×月×日 きっちりしているようで安っぽい。題名とカバーデザインがマッチしていた『御社のチャラ男』(絲山秋子著、講談社、180…
2020年3月20日
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信じる/信じないを超え歴史を形成した独特世界=高部知子
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×月×日 ここ数年、仕事や研究の都合で、自宅にいられるのは良くて月のうち2週間、あとはすべて地方に滞在する生活が続いている。…
2020年3月13日
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ポピュリズム蔓延の現代 人権抑圧に向け警世の書=孫崎享
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×月×日 日本の憲法学者では樋口陽一、長谷部恭男、小林節、愛敬(あいきょう)浩二、青井未帆氏らは頂点にいる人々である。この方…
2020年3月6日
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犯罪抑止、状況改善へ 論拠豊富に医療的接近=荻上チキ
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×月×日 日本の刑法は〈懲罰主義〉に立っている。犯した罪に対して私刑を行うのではなく、国家権力が応報的な懲罰を代行するという…
2020年2月21日
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忙しさにかまけていても「よそ者」に映る危機=楊逸
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×月×日 新年はカルロス・ゴーン被告の逃亡劇で明けた。なんだかハリウッド映画を見るような心地に浸っていると、今度は強い感染力…
2020年2月14日
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信頼のセンスが書いた自分の仕事にあてる恋文=ブレイディみかこ
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×月×日 本を売るのは大変なことだ。でも、売るためなら何をしたっていいわけではない。少なくとも、わたしはそう考えている。でも…
2020年2月7日
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妄想がさらにパワーアップ 岸本佐知子ワールドに浸る=美村里江
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×月×日 真面目な風貌で淡々としているのに、とんでもない妄想力を持つ。岸本佐知子さんはそんなエッセイストだ。『ねにもつタイプ…
2020年1月24日
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掲載総数、6762回 「折々のうた」の偉業=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 文学であれ、絵画であれ、創作活動は作品が出たからといって、即、評価されるものではない。今日その作品が最も高価に取引…
2020年1月17日
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思わず落涙…… 決死につなぐ命のバトン=高部知子
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×月×日 いや~。なんだか久しぶりに本を読んで泣いてしまった。『生き物の死にざま』(稲垣栄洋著、草思社、1400円)。この本…
2020年1月10日
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セクシュアリティー関連本3冊 2019年の収穫=荻上チキ
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×月×日 エリザベス・ブレイク『最小の結婚』(久保田裕之監訳、白澤舎、4200円)、濱野ちひろ『聖なるズー』(集英社、160…
2019年12月20日
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高度成長期の日本 底辺で生きる孤独を読む=楊逸
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×月×日 待ちに待った高い秋の空。喜ぶ間もなく「明日は雨模様……」とテレビの天気予報をまた耳にする。本州での台風被害がまだ収…
2019年12月13日
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主張以外で消費される女性活動家たち=ブレイディみかこ
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×月×日 今年、(悪い意味で)度肝を抜かれた報道記事の見出し用語は「環境少女」だった。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥ…
2019年12月6日
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時代劇出演と並行して江戸の言葉や職種を学ぶ=美村里江
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×月×日 時代劇の撮影で京都に向かう。新幹線移動中に読んだ『時代劇でござる マゲモン作家ニヨル江戸ノ手引書』(柏田道夫著、春…
2019年11月22日
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文学作品を読まずしてその国の理解はできない=孫崎享
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×月×日 私の専門分野は国際政治・外交である。だから、私が「時々小説を読む」と言うと「なぜ?」と聞かれる。 でも、「専門を国…
2019年11月15日
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100歳まで生きた祖母も実践した「音読」の効果とは?=高部知子
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×月×日「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」。この一節を聴けば「平家物語か!」と気付く人も多いと思うが、ではそれをいつご…
2019年11月8日
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調査データと精緻な分析で「右傾化」の実相に迫る=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日『日本人は右傾化したのか』(田辺俊介編著、勁草書房、3000円)はとてもタイムリーな一冊だった。雑誌『Newswee…
2019年10月25日
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老人ホームが直面する至極難しい「命」の選択=楊逸
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×月×日 ベランダでいろんなものがバタバタと落ちるすごい音がして、窓ガラスは割れるかのようにたたかれている。目が覚めた。台風…
2019年10月18日
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移民、裏方さん……群像劇の魅力を味わう=ブレイディみかこ
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×月×日 人の脳には嫌な経験を忘れる機能があるのか、はたまた老化で忘れっぽくなっているのか、さまざまな記憶がよみがえってきた…
2019年10月11日
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簡単なことが難しい現代 脱出の夢を見続ける恐怖=美村里江
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×月×日 友人にオススメ本を聞かれ、書名を答えたところ「芥川賞のね」と言われ、恥ずかしながら受賞を知った。手に取ったのは表…
2019年9月27日
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ソーシャルメディアは自律的かつ相互依存的=孫崎享
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×月×日 私の一日はニコニコチャンネルの「孫崎享チャンネル」のブログを書き、内外の新聞を見てツイッターを行うことで始まる。ツ…
2019年9月20日
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網羅的かつ多角的視野でアンチエイジング探る=高部知子
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×月×日 男性の平均寿命も80歳を超え、2019年は81・25歳(厚生労働省調べ)となると、どうやってその年齢まで「健康を保…
2019年9月13日
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移民とは?日本人とは? 「届く言葉」が今ここに=荻上チキ
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×月×日 最近はツイッターを開くのもしんどくなっている。あちこちがギスギスしている上に、傾聴に値するような専門知も乏しい。特…
2019年8月30日
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「救い」や「信」を考えつつ読書する長梅雨の日々=楊逸
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×月×日 東京は長梅雨が続く。気が重いのは、じめじめした空気のほかに、夜な夜な、インターネットのライブ中継で、香港の「逃亡犯…
2019年8月23日
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本当に「私」を生かすアイデンティティーを=ブレイディみかこ
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×月×日 うちの息子は、アイルランド人の父を持ち、日本人の母を持ち、英国で生まれ育っている。だからパスポートも三つ持っている…
2019年8月16日
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名著を別手法で再編集 魅力をつなぐ試みを読む=美村里江
書評 読書日記
×月×日 20代前半に古本屋で箱入りの上巻を購入し、毎晩舐(な)め溶かすように少しずつ、大変面白く読んだ。いつか箱入り下巻を…
2019年7月26日
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華やかな加藤登紀子さんの「一言」にぶん殴られる=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 加藤登紀子氏は、(1)1943年生まれ、(2)出生地は満州、(3)引き揚げ者、(4)出身大学が同じ──と、私とこれ…
2019年7月19日
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恋愛は脳のバグだった? 「分からない」こそ面白い=高部知子
書評 読書日記
×月×日「恋をする」って簡単に言うけれど、これは私たちの身体に起こる何の現象について言っているのだろう。心に何かが起きている…
2019年7月12日
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貧困、いじめ、閉鎖病棟 自らの苦難を当事者研究に=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 貧困だった子ども時代。いじめを受け続けた学生時代。低賃金で過酷な違法企業。多重の困難によって精神を病み、薬の過剰摂…
2019年6月28日
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元号の変わり目の時期に歳月の不思議を読む=楊逸
書評 読書日記
×月×日 一晩寝て朝目が覚めたら、世はもう令和。10時間前の「平成」は懐かしむ「時代」になってしまった。なんとも不思議な感覚…
2019年6月21日
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減収、非正規、貧困化…… ロスジェネ世代の悲劇と闘い=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 以前、NHK「クローズアップ現代+」の「アラフォー・クライシス」の動画をネットで見て衝撃を受けた。その前からロスジ…
2019年6月14日
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日常から薄皮一枚のホラー 数々の違和感を堪能する=美村里江
書評 読書日記
×月×日 映画でも本でも、ホラーが大好きである。心霊系も生きる人間の怖さ系も問わないが、米国的どたばたモンスター系はやや物足…
2019年5月31日
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アリやトンボになれても人間になれない組織人=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 元伊藤忠会長・丹羽宇一郎氏の『仕事と心の流儀』(講談社現代新書、860円)を読んで最初に思ったことは、「丹羽宇一郎…
2019年5月24日
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等身大の女性僧侶と空海と日々の仏教との関わりを考える=高部知子
書評 読書日記
×月×日 スタジオジブリの「かぐや姫の物語」。昨年亡くなった高畑勲監督の最後の作品だが、私の周りにも「あんなに号泣した映画は…
2019年5月20日
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「すごみ」を浮き彫りにする「参与観察」の手法=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 対象にインタビューをするだけではなく、自らが意図を持って当事者となり、グループなどに所属。その上で集団などの特徴や…
2019年5月3日
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フィクションでよかった…… 二つの猟奇事件をつなぐ闇=楊逸
書評 読書日記
×月×日 目のかゆみと鼻水、くしゃみ。ある日突然始まった花粉症の症状は、春を告げてくれた。いつもよりずいぶんと早いような気も…
2019年4月19日
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読書日記 あるものをあるがままに 記録こそ抵抗たりうる=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日「ドライブイン」と言ってもいまの若い人たちはきっと知らない。その絶滅寸前のロードサイドの飲食店を経営し、何十年も客を…
2019年4月12日
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地球の裏側まで穴を掘れ 荒唐無稽な物語に興奮=美村里江
書評 読書日記
×月×日 読書日記マイルール。執筆時から発刊3カ月以内の「新刊」を選ぶこと。面白い本が複数あり、迷ったら出版社をばらけさせる…
2019年3月29日
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反発から手にした本に圧倒され、力をもらう=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 私は比較的美術館を訪れるほうだ。19世紀の中ごろ、英国で活躍したラファエル前派の代表作にジョン・エヴァレット・ミレ…
2019年3月22日
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自殺、死生学……「死」を考える本を読む=高部知子
書評 読書日記
×月×日 日本が「自殺大国」といわれるようになってから国はいろいろな取り組みをおこなってきたようだが、近年ようやく効果が表れ…
2019年3月15日
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ナチスドイツの優生思想 ドラッグの視点から分析=荻上チキ
書評 読書日記
×月×日 ナチスドイツが、ユダヤ人だけでなく多くの障害者も虐殺していたことは有名だ。「精神障害者」は結婚も禁じられ、強制断種…
2019年3月8日
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2019年は激動の予感… 殉教者の研究書を読む=楊逸
書評 読書日記
×月×日 燃料税の削減や最低賃金の引き上げなどを求め、フランスで昨年末から「黄色いベスト運動」と呼ばれる抗議活動が続いている…
2019年3月1日
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理念と理念の分裂から人と人が対話する時代へ=ブレイディみかこ
書評 読書日記
×月×日 英国で、ベネディクト・カンバーバッチ主演の『Brexit :The Uncivil War』というドラマが放送され…
2019年2月22日
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3.11後の被災地舞台にリアルな人間模様を読む=美村里江
書評 読書日記
×月×日 東日本大震災直後、夫は医療チームを率いて災害救助で現地へ赴き、数カ月勤務した。まだ結婚前だったが、ニュースとは違っ…
2019年2月15日
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実は流動的で不安定 トランプ政権の核心活写=孫崎享
書評 読書日記
×月×日 2018年、私が出版を一番待望したのは『FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実』(ボブ・ウッドワード著、日本経済新…
2019年2月8日
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思春期の本人に親に、やさしく寄り添うQ&A=高部知子
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×月×日 ちょっとビックリした本に出会ってしまった。いわゆる「Q&A」本なのだが、私は今まで、あまりこのタイプの本に…
2019年2月1日
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読書日記 家父長制に殺された「あなた」の物語を読む=荻上チキ
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×月×日『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、筑摩書房、1500円)。各所で話題となっている韓国の小説だ。社会的…
2019年1月25日
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現実に圧倒される年末 絵の聖性に思いをはせる=楊逸
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×月×日 あっという間に2018年も過ぎようとしている。時がたつのが激しく速くなったと感じる一方、ここ一年の間で起きた「こと…
2019年1月18日
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ブレイディみかこの読書日記 現代社会を笑い撃つユーモアと孤高の知性
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×月×日 わたしは英国在住なので、ライターの仕事を始めるまで、日本語の活字を読む機会がなかった。で、久々に日本の新聞や雑誌を…
2019年1月11日